カナダ体験記

私は健常者の会社員でありますが、今から4年前にRFLを知り、その素晴らしい理念に共鳴し、以来毎年実行委員のボランティアとして、常にRFLに参加して参りました。

去年6月に、仕事の研修でカナダのバンクーバーに行く機会を持つ事が出来たので、カナダ対がん協会(以下ACS)のホーム・ページで事前に確認して いた、ダウンタウンから車で30分くらいの、ノース・バンクバーと言う閑静な住宅街の公園の一角で行われているRFLに行って参りました。

事前に当地の実行委員会にアポイントメントを入れていた訳ではないのですが、日本のRFLのTシャツを着て行った私に対して、現地の実行委員のある 女性が優しく声を掛けて来てくれました。実行委員長(この方も女性)を早々に紹介してくれ、トラックを彼女らと一緒に周回しながら、いくつかのチームとも 実際会話が出来て、寄付金の集め方、当日のアトラクション、大会全体の参加人数、RFLに参加している人々の動機等、様々な質問にも彼女は快く答えてくれ ました。

カナダのRFLに接しているうちに、いくつか気付いた事があります。先ず日本のRFLのように、参加者がトラックの周回を競っていたり、リレーを中 断させてはならずと、がむしゃらにトラックを回るという光景がない事。天候にも恵まれていたせいでしょうか、各チームがみんな各々チームでバーベキューを 仲間と楽しみながら、気が向いたらトラックを周回するという感じでした。

実行委員会は大会最中、チームが大人から子供まで楽しんでリレーに参加出来るよう、1時間にひとつ程度、チーム全体でリフレッシュが出来るよう、例えばチームの仲間でビーチ・ボールを落とさずトスしながら周回してもらうなど、様々なアトラクションも用意していました。

でも寄付金はスゴイんです!地元のあるスポーツ用品メーカーの社員で結成されたチームは、社内で募った寄付金が100万円に達していました。訊けば 「がんは身近な病気であり、当社の社員やその家族も罹患している人間がいる。社員皆で彼らをカバーするのは当然だ」とコメントしてくれました。

実行委員の彼女が所属するチームは300万円でチーム寄付金トップ、参加者1,500人強の大会全体で当日まで集まった寄付金は1,800万円。 チーム毎の寄付金額や、大会全体の寄付金総額もびっくりですが、「今年の目標は3,200万円なのに、残念ながらここ5年は大体このくらいの寄付金で推移 してしまっている。でも今この時も寄付金は増え続けているのよ」と彼女は言いました。

日本とは寄付に関する考え方やその税制の仕組みが抜本的に違うとは言っても、本場のRFLのチームや大会は、話には聞いていたが、どうしてこんなにも寄付を集められるのか?

答えは2つだと考えました。ひとつはチームが大会前に作られる、或いは大会前にしか集わないチームではなく、1年を通して絶えずチームで募金活動に 勤しんでおり、且つRFL自体はそのチームの1年間に渡る努力が表彰される場に過ぎない事。もうひとつはインターネットでも募金が集まる事から解るよう に、ACSが国民へ施している「がん罹患時のサービスや予防の為の啓発活動」に市民が納得しているという事。バンクーバーがあるブリティッシュ・コロンビ ア州だけでも、RFLを通して毎年54億円の寄付が集っているそうです。

日本のRFLは、まだ黎明期の段階かもしれません。でも毎年日本全国でRFLが行われる会場は確実に増えております。世界20ヵ国で行われている RFL。がん遺族や罹患者本人をその家族・友人・仲間が気持ちをひとつにして精神的に支え合い、がん撲滅の為の研究助成や罹患者へのサポートを資金的にも 援助して行く、というRFLの掲げる崇高な人類愛の理念を、この日本でも定着させたい気持ちが、カナダのRFLに触れて益々強くなりました。

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