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【リレー・フォー・ライフ 2011 終了会議が開催される】

 

全国の実行委員長ら代表が一堂に会し 2011 年度を総括するリレー・フォー・ライフ 2011 終了会議が 1 月 15 日(日)10 時~16 時まで有楽町朝日ホールスクエアB(有楽町マリオン 11 階)にて行われました。 2011 年に開催された 27 地域のうち、石狩を除く 26 の地域の実行委員会から各 1 名ずつと 全国実施事務局ボランティアスタッフら計 50 名が出席しました。

日本対がん協会(以下協会)の箱島信一理事長による開会の挨拶の後、日本癌学会理事で 国立がん研究センター研究所長の中釜斉先生が「日本のがん治療につ いて」と題し、講演して頂きました。日本でも基礎的な研究で治療薬につな がる「芽」が出ている例を紹介しながらも、実際に薬として広く使えるようにするにはま だまだ課題が多く、その「芽」を育てるプロセスは海外で実施されていることを指摘。臨 床につながる研究基盤の拡充の必要性を訴えました。 熱心にメモをとる姿、スライドをカメラにおさめる姿が見られ、関心の高さがうかがえま した。

続いて協会から、新薬や新治療法の開発を期待して日本癌学会とともに最前線の研究を支 援する「プロジェクト未来」研究助成事業に関して、また春につくる選考委員会について の説明・報告がありました。 塩見知司協会理事・事務局長からは「日本の対がん活動、協会の役割」について協会の事 業、対がん活動の最前線を紹介しました。

その後協会から参加者に事前に送ってあった資料を元に、2011 年度の開催報告と全国の実 行委員会に対して確認がありました。

2011 年は全国 27 カ所で開催され、約 39000 人の参加があり、協会への寄付は約 2500 万円にのぼることが報告されたほか、「日本対がん協会RFLブロックスタッフ」制度発足 に関しての説明・報告がされました。

そして「RFLと全国実施事務局」と題してボランティアスタッフの坂下千瑞子さんから 発足の経緯と現在までの成果の発表があり、今後「プロジェクト未来」発展のためにケア ハウス、がんサロンの運営、患者支援等、また被災地支援のアイデアなど多くの意見を頂 きたいとのお願いがありました。

ここまでは講演や報告事項などが続き、多少固い様子で議事が進んでいましたが、お昼の 休憩時間には、全国の各実行委員に自己紹介をしてもらい、和やかにそしてリラックスし た雰囲気で食事を楽しみました。

午後は全国実施事務局スタッフの郷州葉子さんが「世界のRFLから学ぶこと」と題し、 昨年フロリダ州オーランドで開催された「RFLナショナルサミット 2011」の様子を紹介 しながら、各国の様々なアクティビティや取り組みについて話しました。

日米の寄付文化の違いについて言われているが、何のためにRFLをしているのか、が ん患者を助けたい、そのために寄付を集めたいという想いが同じであれば、国や文化の違 いは問題ないと思ったと感想を述べられました。

次に福島実行委員会事務局長の鈴木牧子さんが「被災地とRFL」をテーマに震災後に立 ちはだかる困難の中で「こんな時だからこそ開催すべき」「できることをしよう」「とにか くつながっていこう」と実行委員が一致団結し、桑折町の多大なる協力の下、屋内開催を 決め、地元企業を中心に協力を得てひとつずつ問題を乗り越えた様子を話しました。 被災地からのお話は会議後、参加者からも反響が大きく、心に残ったようです。

続いてテーマ毎に実行委員会の成功例を話してもらい、質疑応答が行われました。

大分の平野登志雄実行委員長からは、毎年高い寄付率を保つ大分の「ボランティア精神」 について、何のためにRFLをやっているかを明確にし、がん患者さんを助けたいという 共通認識を持つことが大切との話がありました。また「寄付の集め方・経費の使い方の工 夫」としてチームには自己完結を求め、企業には金銭的な寄付だけでなく必要なものを協 力してもらっているなど、経費節減のための工夫を話しました。

福岡の宮部治恵前実行委員長からは「サバイバーシップの工夫」として患者会とのコミュ ニケーションの大切さやマスコミの力を借りたPR活動の成果や、RFLの会場で行った チャリティオークションで落札したサバイバーさんは無料とするサプライズが好評だった など、具体例をあげながら日々の地道な活動を紹介しました。また、チームを作ることが 出来る人は誰かの助けがあるということ。1人で参加する人を大切に助けていけるように したいと語りました。

広島尾道の浜中和子実行委員長は「チームの集め方」を。Facebook やマスメディア(新聞 からタウン誌、ケーブルテレビ、エフエムラジオなど)でPRし、市町村の広報誌に取り上げてもらったことや、市の職員が実行委員に入ってもらう、そして医師である自身のあ らゆるつてを使って呼び掛けたことを話しました。

岡崎の大菅善章実行委員長は「実行委員会のつくりかた」について。雰囲気作りで気を付 けている点や人数の少ない実行委員会ならではの役割分担について述べた後、FM岡崎と 全国のRFLとのコラボレーションの企画について説明したところ、参加者からも様々な アイデアが出ていました。

川越の鈴木俊子副実行委員長は「啓発について」。RFL会場ではステージ上の緩和ケアネ ットワークによるフォーラムとスモールセミナー用のテントを分け、年間を通じてがんサ ロン川越を開催していることを説明しました。他の実行委員会からステージと講演会のス ケジュールについて同時進行で会場の関心が分散しないか、出演者への対応など、多くの 質問が寄せられました。検診車についても各地の事例が話し合われました。

以上を踏まえ、全体での協議に入りました。各実行委員会からはリレーの会場に設営する テントの借り方やステージの運営などについて、さまざまな意見が交わされました。
また「寄付金のつかい方について」明確な説明資料が求められ、協会として「プロジェク ト未来」研究助成金としてがんの基礎・臨床研究などに用いることや、さらなる透明性を 検討していくことなどが説明され、今後チラシ、HPなどの表記を改善することにしました。(RFL のHP「皆様からの寄付」にはこれまでに集まった寄付総額と昨年度の各開催地の寄付金 額、使い道の説明、何にどの位使わせて頂くか出ていますのでご覧下さい)
震災支援については、宮城の実行委員会から、来年度は実行委員会の自助努力で開催して いきたいので、支援金とは別の形での支援(他の地域との連携など全国のRFLを繋がり をもつなど)があればという考えが述べられました。福島からも同様に全国からの支援の 気持ちだけで十分ありがたく、福島の農産物を食べるという形で応援して頂けたら嬉しい と話されました。

最後に協会の荒田茂夫常務理事より閉会の挨拶をし、6 時間に及ぶ終了会議は幕を閉じまし た。

年に一度、全国から実行委員会の代表者が一堂に会し、1 年間を振り返り、総括、反省をし、 お互いの成功例を学びながら、次年度への決意を新たにします。

がんに負けない社会をつくる、がん患者さんを支援する、という同じ想いを持つ人が集ま るので、すぐに打ち解け、会話も弾みました。近県のスタッフと親交を深め一緒に何か出 来たらと新たな企画も生まれそうです。

会議終了後には「皆さんの情熱に刺激をうけ、今年も頑張ろうという意欲が増した」「堅苦 しくなく、でも真剣に楽しんで、皆さんをハッピーに!という気持ちがひしひしと伝わってきた」「地域による苦労の違いや、細かい所の寄付の使われ方などよく理解できた」「講 演、意見交換等内容の濃い会議でした。時間がなくてもっと皆さんとお話しをしたかった」 「県外の方との絆も深まり、本当に有意義な会議だった」など感想が寄せられました。

2012 年度は 5 月 12 日(土)13 日(日)熊本市白川公園で開催される「リレー・フォー・ ライフくまもと」からスタートします。 あなたの街でもリレー・フォー・ライフを!全国で仲間を募集しています。