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2020年05月18日

がん友のエッセイ

    見えない敵と戦う

皆さん、お元気でしょうか。皆さんの周りに新型コロナウイルスの症状がある方、いらっしゃいますか。
 さて、緊急事態宣言が七都府県に四月七日に出されました。そして四月十六日、全国に宣言されました。それ以後は自粛生活ですね。「人間は社会的動物」と言うアリストテレスの有名な言葉があります。だけど、「外出を避け、人と会うのを八割~七割減らすように」という指示を受け、ストレスを感じている人がいるでしょう。
 また、新型だけにまだすべてがわかっているわけではありません。ワクチン・治療薬もこれから開発するという。見えない敵だけに不安を感じている人がいるでしょう。
 私も不安を抱えた一人です。そこで新型コロナに関する本を読んでみました。
 ・新型コロナウイルス 完全対策ブック
  監修 寺島毅/西脇俊二 宝島社
 ・新型コロナウイルスの真実
  岩田健太郎  ベスト新書
 ・コロナの時代の僕ら
  パオロ・ジョルダーノ 早川書房
 三冊目は医療関係者ではなく、イタリアを代表する小説家のエッセイ集なので、専門用語ではなく、わかりやすく共感する本でした。著者あとがきは「コロナウイルスが過ぎた後も、僕が忘れたくないこと」という題で始まる。私たちは、緊急事態宣言が解除された後、依然と全く同じ生活ができるかと言えば、そんなことはない。手洗い・消毒、そしてマスク着用は今後も日常的に行わなくてはならないと思う。宣言解除の動きがある今だからこそ、宣言中に出くわしたことで忘れたくないこと、気になったこと等をまとめておくことは大切なことと思い、私なりに記してみたい。
 私は昭和の生まれなので、「少々の熱で職場に穴をあけてはならない」という考え方である。まして福祉の職場ではどこもぎりぎりの人数でやりくりしている。自分が休めば同僚に迷惑がかかると考えていた。
 現在「熱がある人、体調が悪い人は休んでください」と責任者が発言している。今後も感染症を防ぐだけではなく、ストレスをため込まず、快適に働くため、継続する必要性があるだろう。
 自治体による休業要請も話題になった。とりわけ要請に応じなく開店しているパチンコ店の店名を公表するかどうかは議論になった。休業補償の伴わない要請にどこまで応じるか。店名を公表することにより、県境を越えてまで来店者が増えるのでよろしくない等。
 パチンコ店の場合、「県境を越えて遠方であっても来店する客は、ほとんどがギャンブル依存症では」という視点が弱かったような気がする。依存症はいわば病気。処方箋を与えることなくパチンコ店を閉めたらどうするか。アルコール依存症の場合、家庭内のアルコールを処分すれば依存症が治るというものではないように、ギャンブル依存症なのに治療に結び付けることなく閉店し、遠方まで出かける人、開店する店を非難するだけでは済まされないようだ。落ち着いたら依存症についてより多くの人に考えてほしい。
 今回の騒動は収まりつつあるが、二次・三次のコロナ波が来ることは覚悟しておく必要があるという。PCR検査をもっと増やせという声がある。岩田氏によると「PCR検査は感度が六割から七割程度でよくない。だからやみくもに検査を増やすより、症状を診て正しく判断することが大切」と記しておられる。今後の課題である。
 また、いろいろな施設でドアノブや手すり等人が触りやすい箇所を消毒している。だけど、消毒液による殺菌効果の持続は短期。それぞれ自分の手指をこまめに殺菌するほうが効果的とも記しておられる。
 自粛による経済の悪化、自粛疲れのストレス等で今後自殺者が増える恐れがあると危惧される。対処法を考えておく必要あり。
 些細なことであろうが、オリコミの新聞広告がずいぶん減少した。これはすっきりしたというかよいこと。これからも広告は極力少なくしてほしい。衝動買いを減らすためにも。