【The Stories of ASHIYA】この場所で、私は歩き始めた・・・
ステージ1の乳がんと診断されたあの日から、もうすぐ3年。
この間、部分切除手術・化学療法・放射線療法を受け、現在ホルモン療法を続けています。
先日、主治医の先生から「ホルモン療法の注射(リュープリン)を終了し、服薬だけ続けていこう」とお話がありました。
金銭面でも副作用の面でも、正直ありがたい提案でした。
しかし、些細なきっかけで不安を感じてしまう日がいまだにあります。もちろん先生を信頼していますが、それでも日々の生活の中で心配がなくなった、と言ったらウソになります。
そんなとき、全国各地で実施されている、がん征圧とがん患者・家族・遺族を支援するイベント「リレー・フォー・ライフ」で出会えた人々を想い、また頑張ろうと思うのです。
私が「リレー・フォー・ライフ」に初めて足を運んだのは、手術の2日前のこと。
仕事の引継ぎも残っていて不安度MAXな中、治療に立ち向かう力が欲しかったのです。
ところが、ラストラップで力強い歩みをしている方々を見て、なぜか怖気づいてしまい、会場を後にしました。参加者の方と自分の間に、大きな壁があるように感じてしまったのです。
1年後、再び会場に足を運んだ私が目にしたものは、さまざまな立場で、それぞれの想いを抱えながらも、ぐるぐると、ぐるぐると、ひたすら歩き続ける大勢の参加者の姿。
それからは近隣のリレー・フォー・ライフで、同じような経験をされている方とともに歩くようになりました。
話をすることでも、言葉を交わさずに同じ場所で同じ時間を共有することでも、参加するたびに励まされ、気持ちが軽くなるこの不思議なイベントに、少しずつ興味が増してきました。
ある日偶然、日本で初めて夜を越えて正式にイベントが行われた、リレー・フォー・ライフ・ジャパン芦屋のホームページに遭遇します。そこには、こんな言葉が書かれていました。
『「がん体験者の語り」、「星空教室」の語り手を募集しています。』
その文字を見たときから、なんだか不思議な気持ちがわき起こってきました。
それは、治療が一段落した時期から、少しずつ胸の奥で思っていたことだったのかも?
「私の体験がもしも誰かの役に立つのなら、自らのことをオープンにしたい…。」
でも「もっと真摯に病気に向かっていらっしゃる方の声の方が訴えかけるものがあるのでは?」「単に目立ちたがっているだけなの?」そんな思いを拭い去ることはでません。
数週間もやもやとした挙句、思い切って問い合わせのメールを出しました。
そして9月の初め、芦屋に足を運ぶことに…。
「星空教室」と名付けられた場所で、未来を担う高校生やなにかを求めて集まった方々に、私の過ごした時間のことについて、話をさせていただきました。
レジェメを自席に忘れるという失態を犯したため、事前に準備していたものとは異なる想定外の内容となった私の話、果たして皆さんには、どう伝わったのか?
星空教室終了後、すっかり反省モードだった私でしたが、なんと「今日はありがとうございました」と声をかけてくれた高校生がいたのです!
遅い時間だったのでそれ以上の話はしなかったのですが、ちょっと本気で、泣きそうになりました(あの時の高校生の方、本当にありがとうございました!)。
実は、副作用などが辛い時(特に抗がん剤投与中)に、自分一人だけで治療に向かい合っている錯覚を抱いたこともありました。
そんな時「職場復帰を待ってくださる方々」、「物心両面で支えてくださる方々」からの励ましが、どれだけ支えにとなったことか…!
家族に限らず「この方々がいらっしゃるから、頑張っていける!」存在の大切さを、実感しました。あと、時には自分から声を上げ、周囲にご厚意に感謝して甘えることも。
もう少しマシな話ができればよかったのですが…せめて参加してくださった高校生の皆さんは「あなたは一人じゃない」ということだけでも、覚えていてもらえるとうれしいです。
「星空教室」から数週間後。別の地域のRFLJに参加した私は、このようなことを書いたルミナリエを、そっとトラックに設置してみました。
「芦屋で、私は歩き始めた。私は、芦屋で皆さんと再会する」
(勝手にテーマをアレンジしてしまった点、お許しください!)
この度は貴重な機会をいただき、感謝しています。本当にありがとうございました。
再び芦屋で、リレー・フォー・ライフ・ジャパンに参加できることを楽しみにしています。
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”あなたもあなたが過ごした時間と経験を、お話してみませんか?”
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そして、まだ気持ちに折り合いの付きにくい方、ご自身の気持ちとうまく向き合えない方、0.5歩踏み出すことにためらいのある方、ぜひ、リレー・フォー・ライフ・ジャパン2019芦屋のプレイベント”がん体験者の語り”、にお越しください。
詳細は、順次ホームページで発信していきます。
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