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感謝と希望のリレー・フォー・ライフ

2015年9月30日

北海道の中田さんは、2013年、複雑型子宮内膜異型増殖症の再発がきっかけで子宮、卵巣を摘出、がんが見つかりました。以来、がんと共に生き、また昨年からはRFL室蘭とつながり、今年からは実行委員として参加しています。

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サバイバーズラップスタート前、皆さんと笑顔で!

2013年2月、不正出血が原因で6年前から治療していた複雑型子宮内膜異型増殖症の再発が見つかり、これ以上内膜掻破を繰り返すといつか子宮体がんへと発展する可能性が高いと担当の先生より子宮・卵巣の全摘出をすすめられ、4月に摘出手術に入りました。手術後の病理検査の結果、子宮と卵巣にそれぞれがんが見つかり、その後リンパ節郭清の為再手術。切除したリンパ節には既に転移している事が分かり、考える時間もないまますぐ抗がん剤治療に入りますと言われ、不安と恐怖でいっぱいでした。

毎朝目覚めた時にあれは全部夢だったと思えたらどんなに幸せかと…。でも朝を迎え現実は何も変わらず、あぁ私はがんで間もなく抗がん剤治療に入るんだ…と落ち込む一方でした。

6クール半年間の治療が始まり、聞いていた副作用の脱毛、関節の痛み、手足の痺れ、味覚障害、吐き気、白血球の減少、ほとんどが襲ってきました。副作用で体が辛く又がんである事の恐怖と絶望から新聞、テレビでがんという文字、言葉を見たり聞いたりする事を避ける毎日でした。

治療を始めて1ヶ月が過ぎた頃、室蘭で第6回リレー・フォー・ライフというがん患者チャリティイベントが開催されると書かれた記事が目に入り、あれほどがんに関係する文字を避けていた私がこのRFLの記事が気になり、どんな事をしているんだろう? どんな人が集まっているんだろう? 私、来年元気だったらこの会場へ行こう! とさえ思いました。その後治療も予定通り終わり、PET検査の結果も良い評価を頂き経過観察となりました。

2014年8月30日、元気だったら行こう!と思った第7回RFL室蘭の会場へ脱毛以来被り続けたウィッグを脱ぎ、ベリーベリーショートで行くことにしました。
イベントの様子を見、朝日新聞元記者高橋賢司さんの自らのがんとの闘病体験による講演を聞いて多くのメッセージを頂き、ルミナリエのメッセージからはたくさんの方の想いを知り、涙が溢れてきました。

このまま帰る事はできない! 私も何かしたい! 気がついたら事務局の方に「来年実行委員の仲間に入れて下さい!!」と申し出ていました。
闘病生活の中で、何故私ががんになったのか、この先どうなるのか、何の為に生きていくのか、私に何が出来るのか…色々考えさせられる事が多く、結果、がんの事だけを考えて生きていくわけにはいかない。少しでも誰かのお役に立てる人生をおくりたいと思うようになっていました。
来年はきっと今より元気なはず! 絶対この会場で実行委員として参加しよう! そう決意したのです。

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閉会式終了後、実行委員のメンバーと一緒に。
室蘭での開催を続けて下さった皆さんです。

年が明けて2月に実行委員の集まりに参加、室蘭での過去7回のRFLを振り返り、今回はもっと有意義なものにしたい! たくさんの方に参加してもらいたい。サバイバーの方達が必要としている内容にしていきたい。そう真剣に話し合うみんなの姿を見て、室蘭で8回目を迎える事が出来るのもこうした実行委員の熱い思いがあるからなんだと知る事が出来ました。
同時に、続けて開催してくれたからこそ、私も参加させて頂く事が出来たのだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

ちょうどその頃、通院している緩和ケア外来の看護師さんから月1回のがんサロンに誘われ、通う事になりました。そこで出会ったがん仲間達と互いに病気の事、辛かった治療の事、それぞれが抱えている悩みや不安を話し合う事で、一人じゃない! 支え合える仲間がいるという事の安心感も得られました。
私はがんになった事で出会えた仲間達にも絶対RFLを伝えなくては!! と思い、「当日は会場に来て欲しい。がんでも毎年遠くから参加している仲間もいるよ。きっと元気になるよ。良かったら家族も一緒に来てね」と伝えていました。

そんな中で精密検査を受けて下さいとの通知が自宅に送られ、RFL開催の2ヶ月前に大腸ポリープが見つかりました。
開催1ヶ月前に内視鏡的手術でポリープ切除、病理検査の結果、早期がんが見つかりました。
担当の先生から「早期発見なので経過観察していきましょう」と言われ、「えっ!! 早期発見だとがんでもこんなに簡単に終わるの?」と驚きと同時に「検診して良かった!」とホッとしました。ところが私は今回で3つ目の原発がんが出た事で、多重がんを先生から説明され、これからも早期発見、早期治療でいきましょうと言われ、えっまさに今、私それを伝えていくイベントの実行委員になっている!これからも検診の大切さを伝えていかなくは!!と改めて強く強く感じました。

開催前に無事退院もでき、RFL当日、初めて参加したサバイバーズラップで大きな拍手と声援を頂きながら、今こうして歩いている事に喜びと感謝で涙が出てきました。

エンプティテーブルでは詩の朗読をさせて頂ける事になった私は、たくさんの想いと願いを込めました。読み終わった後、私の友人達からは今、健康である事への感謝の涙を見、がんサロンの仲間達からは来年も絶対元気でまたこの会場に来たいと言ってくれた希望の涙を見て、私も必ず元気でこれからも実行委員をして、そしてサバイバーとして来年9回目を迎えるRFL室蘭に笑顔で参加したいと思います。多くの方がすすんで検診を受け、その大切さを理解して下さり、また早期発見、早期治療により、一人でも多くの方の命が救われる事につながると信じています。

今、出会えたすべての事に感謝しています。ありがとうございます。

プロフィール
中田美樹(52歳)
北海道室蘭市出身(現在は登別市在住)
2007年から、複雑型子宮内膜異型増殖症が発症し、4回内膜掻破を繰り返す。
2013年、2月5度目の異型増殖症の再発がきっかけで4月、子宮、卵巣を摘出し、がんが見つかる。その後リンパ節転移から抗がん剤治療へ。その後経過観察へ。
2015年8月、早期大腸がんが見つかり、多重がんと診断される。
2015年、今年からRFL室蘭の実行委員として参加。