時森由佳さん (RFLJ中四国ブロックスタッフ)
*** 受賞のコメント ***
この度の選出はRFL仲間と共に受賞していただけたと思います。これからも『自分は何故RFLに参加しようと思ったのか?』この気持ちを忘れずRFLのバトンを繋げていきたいと思います。
*** エピソード ***
34歳のとき乳がんとわかるまでは、時森さんは元気いっぱいでした。苦しい抗がん剤治療を受け、時森さんの生活は一変しましたが、適切な治療のおかげで病を乗り越えることが出来ました。治療後は元通りの生活が戻ってきましたが、幸せな日々が続いてほしいという時森さんの願いをよそに、また新たな試練が待ちうけていました。39歳のときには肺転移が見つかったのです。治療方針は大きく変わり、まるで「暗闇の中に生きている」ように感じたと彼女は言います。
しかしその暗い道に希望の光を見つけました。それがRFLです。2009年、初開催のRFL広島に参加し、おそらくサバイバーであったであろう少年が周回カードを手に、トラックを走っているのを見ました。
「こんな小さな少年が大きな努力をして、できることをやっている。私もできることをやろう」
この出会いが彼女の人生を変えました。
「RFLとそこで出会った少年が、私を暗闇から連れ出してくれたのです」
それ以来、RFLは時森さんの生活にとってとても大切な存在となりました。今では日本対がん協会のRFLJブロックスタッフとして近隣の活動支援をしています。また所属する患者会では、小学校や中学校で命の大切さを若い学生たちに教える特別な授業を行っています。
リレーは人と出会える場であるということを時森さんはとても気に入っています。人々が集い、ストーリーや経験を共有し、問題をも共に乗り越えることができるかもしれないこのような場は、すべてのコミュニティーで必要であるということを強く感じています。
体力を維持し、つらい治療にも希望を心にのぞむことができるのは、すべてリレーのおかげだと時森さんは言います。毎年リレーイベントに参加するためなのです。また、友人に会うこと、新しい人々に出会うことを、とても楽しみにしています。しかし、彼女が参加をするもう1つの理由は、亡くなった方の遺志を尊重するためです。
毎回、リレーイベントの最後に、時森さんは決して参加者にさようならとは言いません。
少年が時森さんを暗闇から引き上げたように、彼女の言葉は他の方の道を必ずや照らしていることでしょう。
「また来年ここで会いましょう」