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【大阪大手前】久保田君、ありがとう!

10月12、13日に大阪府立大手前高等学校でリレー・フォー・ライフ・ジャパン2013大阪大手前が開かれました。この大会は、がんで亡くなった一人の高校生の遺志を継いで準備が進められました。

今年1月、同校の3年生だった久保田鈴之介君がユーイング肉腫で亡くなりました。久保田君は昨年貝塚のリレー・フォー・ライフに参加し、「2013年度は大手前高校でリレーを開催したい」と熱望していました。残念ながら開催の許可が下りたのは、久保田君が亡くなった数日後でした。しかし、大勢の人が久保田君の想いを継ぎ、開催の日を迎えました。
開会式では久保田君のご両親があいさつし、1枚のフラッグを紹介しました。フラッグの表にはウェールズの交換留学で出会った学生からたくさんのメッセージが書かれ、裏面にはお母様がウェールズの国旗を縫われました。
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校庭のトラックには800個以上のルミナリエバッグが並べられていました。そのトラックを最初に進んだのは久保田君と同じ大阪市立総合医療センターのすみれ病棟に入院していた北東紗輝さん(11)。北東さんは幼い頃に脳腫瘍になりその後白血病になりましたが、現在は退院して学校に通っています。久保田君の隣の病室で過ごしていたころ、壁越しに“コンコン”と叩いておやすみの合図をしていたそうです。現在も久保田君の学生服の第二ボタンを大切に持っているほど、二人は今も変わらず強い絆で結ばれています。
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会場には大手前高校の生徒や卒業生が大勢集まり、テント、ルミナリエ、グッズなど、それぞれの担当に分かれて運営を手伝うだけでなく、シンポジウムでも真剣に講演を聞いていました。トラックでは、久保田君が所属していた剣道部の後輩や卒業生らが手作りのフラッグを手に、夜遅くまでリレーを繋ぎました。
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エンプティテーブルのセレモニーでは、剣道部の後輩たちが心のこもったメッセージを伝え、久保田君が大好きだった「栄光の架け橋」をコーラス部が歌手の本並恵さんと一緒に熱唱しました。
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大会オリジナルTシャツの後ろには、校是である「英姿颯爽」の文字が入っています。立ち居振る舞いが爽やかで凛々しく、生き生きとした活力に溢れ、何事においても常に前向きな大手前高校生を育てていきたい、育っていってほしいという学校の思いが込められています。
まさにその言葉を体現するかのように生きた久保田君。このリレー・フォー・ライフを通して同校の生徒や卒業生たちの心に大きな力を与えたことでしょう。そして来年も大阪のリレー会場に大勢の学生たちの姿があることを楽しみにしています。
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