グローバル・リレー・フォー・ライフの「ヒーローズ・オブ・ホープ」が今年、新たに日本から2人が選ばれ、歴代の日本人ヒーローズは14人となりました。サバイバーの先頭に立ち、RFLの中核を担っていくヒーローたちの素顔を紹介します。
質問内容はこちらです。
①好きな言葉
②患ったがんの種類、最初の治療法、サバイバー歴
③休日の過ごし方④RFLを知ったきっかけ
⑤受賞するまでこの賞を知っていたか。また、受賞して思ったこと
⑥RFLに関わってよかったこと、嫌だったこと。
※受賞年別、五十音順。名前の前の数字は受賞年。年齢は2013年12月末現在。
日本のリレーヤーの代表として
2010-11 坂下千瑞子さん(47)
①ピンチはチャンス!
②骨軟部腫瘍。腫瘍脊椎骨全摘手術。8年目
③子どもと遊ぶ。がん患者と家族の支援活動
④再発治療中のベッドサイドで、2006年にRFLの映像報道を見て勇気をもらった。
⑤アメリカにはそのような方がいるようだが、よく知らなかった。日本のRFLが、世界のRFLに認められたと感じたのでうれしかった。日本のリレーヤーの代表として、サバイバーの想いやRFLへの想いを発信していけたら、と思った。
⑥全国(世界)の同じ想いを共有するたくさんの仲間たちと繋がっていてうれしい。世界が広がり、勇気と希望をもらい、そして何より楽しい!熱い想いがあるだけに、理解してもらえないときは、辛い。
できることを地域で精いっぱい
2010-11 廣澤政男さん(72)静岡県長泉町
①自己活力。自己活性
②大腸がん、肝臓転移。部分切除、同時に手術。左肺転移、一部切除手術。左声帯固着手術。9年目
③抗がん剤治療が主体の体調管理の生活の中、動けることに喜びを感じ、日々有意義に使いたい。年間計画としては、RFL活動に参加すること、年に1度のホノルルサイクリングレースに参加できるよう、週に1度はサイクリングに出かけるよう心掛けている。
④NHKで芦屋のRFLを見て、私もできる事があれば参加したいと思ったのが最初で、静岡のRFL実行委員会発足に参加した。
⑤治療中のサバイバーであり、できることを精いっぱいやらせてもらう。大きく羽ばたいての活動にならないが、地域で活動する中で、RFLの主旨を広報し、知名度、認知度向上をしていきたい。また、実行委員として活動する仲間を増やしていきたい。
⑥サバイバーの立場であっても仲間ができ、情報を共有する楽しみができた。一人で思いや悩みを抱え込む状態になることなく、他の人のことに思い巡らす気持ちが芽生え、サバイバー仲間が自然と増えいくことをうれしく思う。
RFL が生きる原動力に
2010-11 三浦秀昭さん(享年57、2013年11月逝去)横浜市
※娘の朱里さんが代理で回答
①「がんという病に対する社会の意識を変えよう」「出来ることからこつこつと」「未来のある子供たちのためにも!」
②肺腺がん、抗がん剤治療。10年
③孫を含め、自宅での食事や、家族皆での旅行など、家族の時間。全国に広がるRFL会場に、自分の足で歩くという意気込みと、仲間と語り合いたいという目的で、最後まで体調と相談しながら参加。行政や企業、医療関係者などへのRFLの協力、支援の啓発、啓蒙活動。サバイバーとして、仲間として、意見や相談役としての一人一人と向き合う草の根運動。旧友、前職場の同僚、部下との語り合い。
④2005年の「がん患者大集会」で紹介されたアメリカでのRFLの映像に衝撃を受け、日本でのRFL実現を目指す。
⑤2010年新横浜での閉会式で表彰され、受賞を知る。家族も感動し皆で喜びを分かち合った。ブログを通じてのRFLの呼び掛けに対し、大勢の方が賛同して下さり、協力そして全国規模で参加していただけていることに感謝している。さまざまな立場の方々が一丸となって前向きに志を持ち病気と闘い、分かち合い、生きる勇気と希望をもつ。そして次の世代に繋げていく命のリレーが「かたち」になり、広がっていくことに自分が受賞したわけではなく、皆の受賞だと考えている。
⑥RFLは父の生きがいであり、「生きる原動力」だったと家族は思っている。父は卒業してしまったが、リレーで出会った数多くの仲間たちへの感謝と、これからも皆様の心の中に生き続けていくことを信じている。
つらくて涙を流す人のために
2010-11 宮部治恵さん(45)福岡市
①真実一路!!継続“が”力なり!
②子宮頸がん、直腸がん。手術(子宮・卵巣摘出)、抗がん剤、放射線。11年目
③ボランティア、キャンプ、バーベキューなど
④2006年2月の入院中、日本初のRFLが開催されることをインターネットで知る。とにかくここで歩きたいと強く願い、リハビリをめちゃめちゃ頑張った。そして実行委員として参加。自分がこうして今生きていることに意味があるのでは?と想い始めた。現在、たった一人でも寂しくてつらくて涙を流す人がいるのであれば、RFLを続けていきたいと思っている。
⑤聞いたことはあった。このような賞を頂いてとても感謝している。もっとRFLを日本で広め、たくさんの日本の方に受賞してほしい。
⑥たくさんの人との出逢い、つながり、人の大切さ、優しさ、たくさんの初めての経験ができたこと。悲しいことに、多くの別れも経験した。だからこそこうして頑張っていけるのかな、とも思う。
多くの縁に感謝
2011-12 大菅善章さん(50)愛知県岡崎市
①笑顔。前向き
②胃がん。腹腔鏡外科手術部分摘出。6年目
③家族サービス&バンド
④テレビでの特番を見て
⑤知っていた。共に活動してきた皆さんのおかげ。頑張っていれば報われる!!
⑥RFLに関わらなければ出会えなかった方々と多くのご縁ができたこと。
受賞に誇り
2011-12 大菅年美さん(47)愛知県岡崎市
①笑顔
②乳がん。温存外科手術、抗癌剤、ホルモン療法。6年目
③現在子育て中のため、毎日子育て
④NHKのドキュメント放送を見て
⑤詳しくは知らなかった。とても名誉なことと思い、嬉しく思う。
⑥素敵な仲間と知り合えたこと。
精神的な癒しに貢献
2011-12 山田啓蔵さん(64)大阪府枚方市
①明日はなにをしょうかな
②肺がん。放射線治療。7年目
③妻と買い物
④知人の紹介
⑤2010年に4人が受賞されたので、素敵な賞だと思っていた。私が受賞できたのは、RFL芦屋のメンバーの皆さんの代表として受賞したと思っている。今の命があるのも、メンバーや家族、友人のおかげ。
⑥三浦さんをはじめ、私よりも重篤な人々が、精いっぱい生きている姿に感激した。「がん」という病気は、物理的な面だけでなく、精神的にも病気にかかっていると思う。物理的な病気は先生に治療して頂けるが、精神的に患った面は治療して頂けるとは限らない。RFLはそんな「がん」患者や家族、遺族の精神的な癒しに貢献しているように思う。ぜひ、多くの皆さんに知って、参加して頂きたいと思っている。
生き方を変えてくれた
2011-12 山本克枝さん(56)大分市
①毎日今がその時をつくる
②乳がん。温存手術、抗がん剤、放射線、その後一年間化学療法。7年目
③友人とドライブ。庭の草取り。月に一度のRFLJ大分がんサロン参加。
④術後1年目、偶然テレビで見たRFL大分初開催の立ち上げのニュース。そこでの初代実行委員長坂下さんの笑顔に勇気をもらった。
⑤前年に坂下さんが授賞されたので知っていた。私がいただいていいのかなと思ったが、自分自身の励みにもなった。
⑥RFLを通していろいろな方と出会えたことは、サバイバーとしての私の生き方を変えてくれたと心から感謝している。家族も一緒に関わってくれて絆もしっかりしてきたと感じている。何事も一歩踏み出す勇気をもらい、元気になった。
受賞に大きな責任
2012-13 櫻井ゆう子さん(55)京都府亀岡市
①ありがとう。よき隣人になりなさい
②乳がん。手術前ホルモン治療8か月、手術・放射線、ホルモン治療。3年目
③部屋の整理、読書、ネコと昼寝
④日本対がん協会ホームページ
⑤受賞を知り、非常に驚いた。そして、大きな責任を感じた。
⑥生きる希望になった。そして、全国にお友達ができた。猛暑の中を駆け回る準備期間は体力的にきつい時がある。
RFL通じ自然と前向きに
2012-13 佐藤弥生さん(48)東京都世田谷区
①希望と勇気。「皆さんのことを心配してくれる人がたくさんいます。皆さんのことを誇りに思っている人がたくさんいます。希望と勇気を持って頑張ってください。応援しています。」ゴールドマンサックスのキャシー松井氏からいただいたメッセージ
②子宮頚がん、広範子宮全摘出術、14年目
③スポーツクラブでのダンス系やヨガ、読書
④三浦さんの活動が気になっていた。
⑤メールやフェイスブックなど世界的なネットワークがあり、そのやりとりを通じて、サバイバーシップへの信仰(特にキリスト教)の影響の大きさをあらためて感じた。
⑥がん体験について、治療や副作用、後遺症など、共有できる仲間ができたこと。安心して共有できる場があったからこそ、仕事もしっかりできたのかと思う。リレーに集まり、がんにこだわってそこにとどまるのではなく、寄付や啓発活動等の目標があるプログラムだったので、自然と前向きになること。仕事と実行委員で時間がなく、リラックスする時間がなくなり、浮腫がひどい時があった。
多くの経験に感謝
2012-13 新城和子さん(61)埼玉県白岡市
①あきらめない
②甲状腺がん、多発性骨転移。甲状腺全摘、脊椎2か所固定術、放射線治療。7年目
③10月で実行委員を辞め、主人との時間を大事に過ごしたいと思う。
④主人の友達からいただいたDVDを見たのがきっかけ。
⑤知っていた。私がこの様な賞を頂いてよいのかと思った。RFLを広く知って頂くため、積極的に広報活動をしなくてはいけないと思いましたが、くしくも病状が悪化し思うように動けなく残念に思っている。
⑥たくさんの方々と知り合うことができ、健康だったら経験できないこともさせて頂き本当に勉強になった。
前向きに生きるきっかけを
2012-13 浜中和子さん(63)広島県尾道市
①「今日を精一杯生きる」「どんなことがあっても最後までのぞみを胸に持ち続けて生きて行こう」
②乳がん。乳房温存手術、放射線治療、ホルモン治療。20年目
③ほぼ休日はない。本業の診療以外のほとんどの時間をボランティア(がん患者支援活動)に使用している。年2回は海外旅行に行く。もし自由な時間があれば、ドライブ、映画、美術館に行きたいと思っているが、なかなか叶えられていない。
④2005年第1回がん患者大集会(大阪)の会場で知った。2006年つくば市でのRFLに参加し、それ以来毎年RFLに参加している。
⑤他地区の仲間が受賞されているのを知っていた。ヒーローズ・オブ・ホープに選ばれてとても光栄に思った。これからもRFLを多くの皆さんに知って頂き、悩んでいるがん患者さんがRFLに参加され前向きに生きるきっかけになればと思っている。
⑥RFLを開催することにより、多くの仲間と出会えたこと。皆と協力してRFLに来る人達の笑顔に出会えること。全国のRFLの仲間にも出会えて、色々と情報を得ることができること。
がんに強い社会の実現を
2013-14 アグネス・チャンさん(58)東京都渋谷区
①Everyday is a new day. Everyday is my birthday.
②乳がん。放射線治療、ホルモン治療。6年目
③家族と外出
④テレビ番組に出演した際、その番組内でRFLを取り上げていて、そこで知った。
⑤正直、受賞するまで知らなかった。受賞できて大変光栄に思う。これを励みにがんに強い社会の実現に向けて、仲間と共に頑張っていきたい。
⑥RFLに関わって、たくさんの仲間ができ、がんについてたくさん勉強でき、自分の活動によってたくさんの人たちを励ますこと、応援すること、さらに新しいがんの専門医の育成やがんの研究に関われたことを大変感謝している。
たくさんの仲間との出会い
2013-14 横山光恒さん(44)岐阜県各務原市