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リレー・フォー・ライフへの想い新たに!

 

宮部 治恵(はるち)

 

私は先日、ひょんなことからアメリカ国務省主催の「インターナショナル・ビジター・リーダーシップ・プログラム(IVLP)」にお招き頂き、人生初!アメリカ大陸へ3週間上陸することとなった。

英語は「サンキュー」と「アイムソーリー」ぐらいしか知らない私だから、とてつもなく苦労した珍道中だったことは言うまでもないかな。

このプログラムでは、様々な医療機関や大学、高校、製薬会社、患者支援団体、地域の方達のお宅や連邦政府や州政府など、多くの訪問先でたくさんの事を学ばせて頂いた。

ワシントンD.C→ニューヨーク→コネチカット→オースティン→シアトルとアメリカをはじからはじまで横断したこのプログラム。ここには書ききれないほどの貴重な体験をさせて頂けたことに大変感謝している。

中でも小児病棟やそこに隣接するファミリーハウスの視察は感慨深いものだった。日本の良さももちろんたくさんあるが、やはりアメリカのいい所はたくさん取り入れて欲しい。未来のある子ども達の病院は最善を尽くして良いものにして欲しいと誰もが願う。

 

(子どもが遊びながら治療を身近に感じられるように)

 

アメリカへ行く前からプログラムに合わせてどこかのRFLに絶対参加したいと願い、英語の得意な友人に頼んでACS(アメリカ対がん協会)のHPでRFLの開催地を調べてもらっていたのだ。

その結果なんとっ!私がアメリカに滞在する3週間の間に500カ所以上でRFLが開催されることを知った。

通訳の方と大使館の方とでプログラムとRFL開催地を照らし合わせ、一つの開催地を見つけ出してくれた。そしてプログラムの合間をぬってニューヨークから1時間程汽車に揺られてメリックという所のRFLに参加をしてきた。

 

(メリックRFL会場前)

 

会場は公園のグランドを利用しており、実行委員が用意したテントは5つぐらいあるだけで、あとはチームで持参したテントが並ぶ。そして各チームテントでは様々な遊びや学びができアイデア満載なのだ。

 

「さ~みんな~RFLが始まるよ~」と言うもののなかなか始まらず、結局始まったのはそれから30分ぐらい経ってからだった。それでも何も文句など 言う人もおらず、みんなそれぞれいつ始まるのかわからない時間を各自楽しんでいた。そしていよいよ肩肘を机にもたれかけとってもラフな一声で開会式が始 まった。日本の様に来賓のなが~い挨拶などなく、サバイバーとケアギバーの体験談を聴いてスタート!

 

 

「日本から来たサバイバーで~す」と会場の皆さんに紹介して下さり、一緒にサバイバーズウオーク。アメリカでサバイバーズウオークを歩けるなんて・・・夢のような時間だった。周りのみんなが笑顔で称えてくれた。涙があとからあとから溢れ出し止まらなかった。

 

(サバイバーウォーク)

 

サバイバーズウオーク終了後、次はケアギバーウオークがスタートした。そしてサバイバーが大拍手でケアギバーを迎える。これはかなり感動した。サバ イバーだけでなく支える側のケアギバーの心の拠り所もRFLではとても大切だ。そして普段なかなかサバイバーはケアギバーに対して感謝の気持ちを表すこと が出来ないでいるのは事実である。そんな中こんな形で称えることが出来たらサバイバーとしてとてもうれしいと想った。

たくさんの美味しい料理も並んでいた。バイキング形式でどっちかというと患者には酷な食べ物が多かった気はするが・・・そこはアメリカ人と日本人の違いなのかな。

突然大雨が降ってきた。みんなびしょ濡れだが笑顔で黙々と歩いていた。

帰る時、駅まではTAXIを要する為TAXIを呼ぼうとしていると会場にいたサバイバーの女性が「私が駅まで送ってあげる」とわざわざ雨の中車を取 りに行って駅まで乗せてってくれたのだ。彼女は腕に残る浮腫の話をしてくれたり同じサバイバー同士国境を越えて会話は尽きなかった。ほんの数分前に出逢っ ただけでここまで親切にしてくれる彼女に感謝の気持ちでいっぱいになった。

メリックRFL実行委員長のポールをはじめ会場の皆さんが本当温かく迎えてくれた。ありがとうございました。

 

 

本当に心温まるRFLだった。ACSの作成したTシャツなどグッズがたくさん販売されておりそれらを購入する人たちもたくさんいた。

私ももちろんグッズを購入し寄付に協力をした。

日本のRFLには地方性があって良い所もあるが全国の統一性が見えない。全国RFLを統一させたグッズの販売はとても大切だと感じた。

 

そしてトレーニングの大切さ。RFLをやりたいと申し出た所へのトレーニングはもっと時間を掛けるべきだ。RFLの根本をしっかり理解した上でもっともっと全国が団結してできることを考えていきたいと思う。

アメリカのRFL関係者の方がRFLの良さを話てくれた。「最大のサバイバーシップ(がんを経験した方と一緒に家族や医療関係者、他の経験者が困難 を乗り越えていくこと。その為のサポート)が可能」「人をたくさん集めてそれが力になる(最大の啓発活動・議会への圧力)」だという。やはりRFLはアメ リカで生まれたのだからアメリカの方法をしっかり伝えていかなくてはいけない。と私は想う。

 

アメリカは何もかもがでかいっ!ハンバーガー、ポテト、ジュース、態度、体型、国。日本は逆に小さいからこそ出来ることがたくさんある。もっとみんなで助け合って団結して一つの目標に向かえばとてつもなく大きな力になる。

 

がんという病気になったからこそ、いろいろな事に気付かせてくれた。そしてRFLに出逢った。RFLを誕生させてくれたアメリカに感謝をし、これか らも「がんになることがないように!」「がんになっても強く生きていく為に!」RFLの大切さを全国の皆さんに伝えていきたい。全国が連携し、みんなで一 緒に活動していきましょう!!!