「医者は奇跡というけれど」を読んで(2025年10月18日)
公明党が自民党との連立政権を離脱して以来、マスコミは「自民党はどこと連立するのか」「次の総理はだれがなるのだろう」といったニュースでもちきりだ。だけど、まだその答えはわからない。そんな中、物価高は私たちの生活を苦しめる。
こんな時は明るい話題を記してみたい。明るいといえば、RFL広島(尾道)で接したたまきさんの本「がんステージ4から 人生最高のステージに?!」が楽しかった。最近購入した「医者は奇跡というけれど 杉浦貴之著」を読んでみて、これもがんを乗り越えて充実した生き方をしている人なので、取り上げてみたい。
杉浦さんは難治性腎臓がんにり患し、医師により、「早くて余命半年、2年生存率0%」と宣告された。だけど、手術後26年生きている。医師に久しぶりに再会すると「杉浦君は特別なのだよ」という。でも、本人にしてみれば、「特別ではない」と断言できるという。
私は当時、「抗がん剤が効かなかったら余命3か月くらい。」と言われ、手術後には「スキルス胃がんの五年生存率10%程度かな。症例が少ないからはっきりしたことは言えない」と言われた。そこで、「それなら10%の中に入るよりも、数字を無視して生きてみよう。そうして5年以上生き抜いたら、5年生存率が少しはあがることになればいいな」と思った。
だから、彼が「がんを治すためなら何でもやってみよう。と「養生法探しの旅」を始めたのはよくわかる。ただ、この本を読んでいてなかなか良い方法に彼は出会わない。「まだかまだか」と私の気は焦る。最初から三分の二くらいはそんな内容だ。「だけど、結果としてこうした体験はすべて今の自分につながっている」とラスト三分の一で語る彼。そうなのだ。そういう風に考えるからこそ、今の彼は元気なのだ。
ところで、彼は腸閉塞を五回やっている。すごいなあと思う。私は胃の全摘手術後にやった。術後、初めての食事のあと、症状が出始めた。飛び降りることも考えた。吐き気がするのだが、胃がないので食事したものも胃液もはけない。時間の経過とともに腸液が少し出た。血糖値は500近くまで上昇。苦しくてたまらない。娘や妻が付き添っていてくれなかったら、本当に耐えきれなかった。
こんな苦しい腸閉塞を5回も乗り越えるなんてすごいと思う。
そして玄米菜食・ニンジンジュース。これはがん患者が一度は行う食事法かと思う。でも、これがみんなに効果があるか。私もやってみたが、つらくなり、白米の上にパラパラと玄米を落として炊き上げるようにしたら調子が良い。今もそれをやっている。
彼は「命はやわじゃない!がんサバイバーホノルルマラソン」を行っていることでも有名。「時間制限がないホノルルマラソンにサバイバーもケアギバーも一緒に行き、走ろうよ」ということで取り組んできた。
彼に取り、マラソンは「走れるほど元気になったのではなく、走ったから元気になった」という思いがあるから。こういう前向きな気持ちは大切。そして、「適度な運動は体に良い」という。免疫力というか、生きる力を上げるだろう。ただ、「適度」というのがどれくらいかを見極めるのは難しい。少しずつやってみるのが良いのかな。
私も妻の一言でフルマラソンに出場し、五回完走している。ホノルルに行こうかと思ったが、当時「新型インフルエンザ」がはやっており、海外は断念し、同じ日に開催される青島太平洋マラソン(宮崎市開催)に出場した。初マラソンを完走すると、「元気になったな」という思いを感じた。
杉浦さんは、宮崎で転地療養された年があるが、宮崎は確かに良い雰囲気がある。私も好きだ。
杉浦さんはがん体験者の思いをつづった「メッセンジャー」を発行されている。また、「とにかく元気が出る講演会」をはじめ、学校・企業などでいろいろ講演会もされている。私は府中市、福山市で開催された講演会でお会いしたことがある。会って直接話を聞いても、著書を読んでも元気が出る人である。
(10月17日 記す)













