三浦 裕司レポート

MOD Awardees Profile プロフィール

氏名:三浦 裕司
Name:Yuji Miura

現所属:虎の門病院 臨床腫瘍科
Current working institution (Department / Section):Department of Medical Oncology, Toranomon Hospital

留学時所属:虎の門病院 臨床腫瘍科
Institution where employed when he/she went abroad for MOD:Department of Medical Oncology, Toranomon Hospital

Professor Padmanee Sharma

出身大学:鹿児島大学
Graduate school:University of Kagoshima

研修先(MOD institution):Department of Genitourinary Medical Oncology, Immunotherapy Platform, The University of Texas MD Anderson Cancer Center

研究室(Laboratory at MOD institution):Padmanee Sharma Laboratory Padmanee Sharma

メンター(Mentor):Professor Padmanee Sharma

研修期間(Dates):6/1/2011-3/30/2013

研究テーマ(Research theme):
Autoimmune antibodies mediate immune checkpoint therapy-induced adverse events 自己免疫抗体による免疫チェックポイント阻害剤関連副作用

研究成果(Research result) -Article/Presentation at the congress論文・学会発表-:as of December, 2019
2016年から約2年間MDアンダーソンがんセンターで研究させていただきました。リレーフォーライフの皆さん、日本対がん協会には貴重な機会を与えていただき、大変感謝しております。当地では、免疫チェックポイント阻害剤による副作用の発現を予測する因子を探索する研究をさせてもらいました。地道な基礎実験の日々を過ごし、なかなか思うような結果が出ない毎日を過ごしましたが、幸いというか偶然というか、留学期間を残すところ半年程になったところで興味深い結果が得られ、そこから一気にプロジェクトが進み、実験と論文の主要な部分は終わらせて帰国することができました。研究室のメンバーにも恵まれ、私が与えられたプロジェクト以外についても様々な実験の手法、知識などを学ぶ機会を与えていただきました。現在、この経験をもとに日本で継続した研究を行えるよう、環境を整えているところです。
また医療職、研究職以外でも現地の人々と知り合う機会を得ました。その中で印象的であったのは、初対面の人に自己紹介をする際に「アメリカにがんの研究をしに来ている」と話すと、多くの場合「私たちのためにがんの研究をしてくれてありがとう」という返事が返ってくることでした。確かにアメリカ人はよく「ありがとう」を言う文化がありますが、人々ががんを自分たちひとりひとりの問題として捉えている現れではないかと感じました。また、研究者や科学者という職業に対して、人々が敬意を持っているところにも日本との違いを感じました。今後、がん医療に関わる医師研究者(Physician Scientist)として、人々に感謝されるような研究を行い、そしてがんを国民皆の問題として捉えるような社会の構築に尽力したいと今回の留学を通じて感じました。
 
1)Tahir S, Gao J, Miura Y†, Blando J, Tidwell RSS, Zhao H, Subudhi S, Tawbi H, Keung E, Wargo J, Allison JP, P Sharma. Autoimmune antibodies correlate with immune checkpoint therapy-induced toxicities. Proc Natl Acad Sci USA. 116 (44) 22246-22251, 2019 († equal contributed first author)

2) Jiao S, Subudhi S, Aparicio A, Ge Z, Guan B, Miura Y, Sharma P. Differences in Tumor Microenvironment Dictate T Helper Lineage Polarization and Response to Immune Checkpoint Therapy. Cell 179:1177-1190.e13, 2019