森川 直人レポート

MOD Awardees Profile プロフィール

氏名:森川 直人
Name:Naoto Morikawa

現所属:東北大学病院 緩和医療科
    東北大学大学院医学系研究科 緩和医療学分野
Current working institution (Department / Section):Department of Palliative Care Medicine,Tohoku University Hospital

留学時所属:岩手医科大学 内科学講座 呼吸器・アレルギー・膠原病内科学部門
Institution where employed when he/she went abroad for MOD:Division of Pulmonary Medicine, Allergy, and Rheumatology, Department of Internal Medicine, Iwate Medical University School of Medicine

Dr. John V Heymach

出身大学:浜松医科大学
Graduate school:Hamamatsu Medical University

研修先(MOD institution):MD Anderson Cancer Center

研究室(Laboratory at MOD institution):Department of Thoracic head/neck medical oncology, John V Heymach’s lab

メンター(Mentor):Dr. John V Heymach

研修期間(Dates):July, 2016 – May, 2018

研究テーマ(Research theme):
 Novel molecular targeted therapy for small-cell lung cancer with dual inhibition of poly[ADP]-ribosepolymerase and vascular endothelial growth factor.

研究成果(Research result) -Article/Presentation at the congress論文・学会発表-:as of August, 2018
2015年にリレーフォーライフ・マイオンコロジードリーム奨励賞を受賞し、2016年7月から2年間、テキサス州ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターで研究の機会を与えていただきました。私が所属したのは、胸部および頭頸部の腫瘍の薬物療法を研究する部門でした。研究室は14人ほどで、研究の経験豊富なメンバーが集まっており、雰囲気も非常によく、実験の初心者である私も多くの指導を受けながら研究を進めることができました。研究室を主催していたDr. John. V. Heymachはベテランの腫瘍内科医で、多くの臨床研究を運営する一方、基礎研究に関しても造詣が深く、定期的なミーティングでは豊富なアイデアを出して研究を強力に推進する姿が印象的です。研究テーマは小細胞肺癌など治療が効きにくい腫瘍の新規の薬物療法の基礎研究に取り組み、現在、その薬剤の臨床試験が進行しています。MDアンダーソンがんセンターは多彩な背景をもち、異なるスキルをもつ人たちが集まり、「がん撲滅」という一つの目標で一致しており、かつ多様性につねに配慮して運営されていました。私が2016~18年はアメリカでも差別や分断が問題になっていましたが、ヒューストンは多様性を認める文化が根付いており、私も家族も充実した生活を送ることができて、大好きな街になりました。

 最後に、このような貴重な機会を与えていただいたリレーフォーライフプロジェクトに心から感謝いたします。私はがん治療を自分のライフワークだと考えており、がんサバイバーやそのご家族、ご賛同いただいた皆様が支えるプロジェクトで留学の機会を与えていただいた事を誇りに思いつつ2年間を過ごしました。帰国後は東北でがん診療の現場にもどりつつ研究を継続しております。アメリカで学んだことを日本の患者さんたちに還元できるよう、頑張りたいと思います。

Evaluation of the combination of olaparib and cediranib in small-cell lung cancer cells. Morikawa et al. poster presentation, American association of cancer research Annual meeting. April, 2018, Chicago, ILI