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Dr. Victor G Prieto.

研究テーマ(Research theme)：
Correlation between pathological findings of melanoma and prognosis / 悪性黒色腫の病理所見と予後との関連

研究成果(Research result)　-Article/Presentation at the congress論文・学会発表-：as of August, 2018
マイオンコロジードリーム奨励賞3期生で国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科の並川健二郎と申します。私は、2013年12月から1年間MDアンダーソンがんセンターの皮膚病理科で悪性黒色腫の病理所見と予後との関連について研究しました。今回我々は、College of American Pathologists (CAP) protocolという手順書で記載が推奨されている病理所見の中で、現行の病期診断に用いられていない病理所見の臨床的意義について検討しました。その結果、原発巣の潰瘍径が大きいと再発の頻度が高まること、リンパ管侵襲があるとセンチネルリンパ節転移の頻度が高まること、核分裂像の頻度が高いとメラノーマによる死亡の頻度が高まること、を報告しました (Namikawa K, et al. Cancer Med. 2018;7(3):583-593.)。また、最近の臨床試験結果から、これまでセンチネルリンパ節転移があった場合に行われていたリンパ節郭清術が必ずしも行われなくなり、一方でリンパ節郭清術を行ってはじめて分かる非センチネルリンパ節転移の有無が強い予後因子であることも示されました。現行の病期分類では、リンパ節転移個数が重要な因子の一つですが、初回手術後にはリンパ節転移個数が判明しない、という問題を抱えることになりました。そこで我々は、センチネルリンパ節と非センチネルリンパ節のtumor burden (腫瘍積載量)を比較し、両者に正の相関があることを発見しました。このことから、今後は非センチネルリンパ節転移の有無が分からなくても、センチネルリンパ節転移巣のtumor burdenを計測することで、引き続き正確な予後予測ができるのではないか、と提案する予定です (Namikawa K, et al. ISNS2018, October, 2018.)。悪性黒色腫は白人に多くアジア人には少ないがんの一種ですが、日本でも少なくとも米国同様の診療や研究が行えるように今後も努力を続けたいと存じます。リレーフォーライフの皆様に深く感謝申し上げます。