第11回大会の開催に寄せて
実行委員長 村井邦彦
村井クリニック院長
宇都宮市医師会在宅医療・社会支援部担当理事
(スローガン)「みんなと共に、今を生きる、明日に繋げる希望のタスキ」
2012年に宇都宮城址公園で初開催した本大会は、お陰様で第11 回を迎えることができました。2020年は新型コロナウイルス感染症のため中止となり、2021年はweb開催でしたが、2022年は会場での半日開催を成功させることができました。そして、今年は久しぶりの24時間開催へと戻ってまいりました。開催に向けて、毎年会場を提供して下さっている壬生町の皆様、募金を集めて届けてくださった市民の皆さま、協賛・広告をくださった企業・団体の皆さま、そして何より私たちに力を与えてくださるサバイバー・ケアギバーの皆様、チーム参加者の皆様に心より感謝を申し上げます。
リレー・フォー・ライフでは、夜を通して歩くことが推奨されています。チームの仲間とタスキをつなぎ、チームフラッグを掲げ、夜を越えて歩き、やがてチームの仲間や参加者同士で朝を迎えます。夜明けが近づいてくると、深い紫色の空(ドーンパープル)を見ることができます。この夜明けの紫はリレー・フォー・ライフのシンボルカラーであり、希望の色です。がんサバイバーはときに不安で眠れない夜を過ごしています。夜が怖く、明日がやってくるのか不安で仕方がありません。そんな時に見える、夜が明けた時の空の色が希望の色なのです。
太陽を月と星をかたどったロゴにも意味があります。それは昼夜を問わず、がんという病に立ち向かう世界中の数えきれない人々の勇気とリレー参加者への絶え間ないサポートの象徴です。いつの日か、がんで悩むことのない社会が訪れるという希望の星をかかげ輝く太陽の下、降りそそぐ月の光の中で参加者が一丸となって共に病に立ち向かう。リレー・フォー・ライフのロゴには、そんな思いが込められています。
リレー・フォー・ライフの素晴らしさは、人の優しさや温かさです。病気を患っている人や何らかの事情で生きづらさを抱えているすべての人ががんをテーマに共通の想いのもとに歩き、絆を強めることで、すべての参加者の生き方がともに支えられ、「支えあう仲間」となれる地域社会が育ってゆくでしょう。そのような社会の成熟は、がんで亡くなられた方たちから今を生きる私たちへの贈り物です。
さあ、今年も楽しく歩き、支え合う気持ちを一つに夜明けを迎えましょう!