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【室蘭】希望の一歩は室蘭から

「リレー・フォー・ライフ2012in室蘭」(小沼芳子実行委員長)が8月25日(土)と26日(日)に、「みんなでつなごう“希望の一歩”」をスローガンに、北海道室蘭市の道の駅みたら室蘭隣接広場で開催されました。

会場は観光スポットとしても有名な白鳥大橋のたもとにあり、遠方から車で来場するにも便利な場所にあります。近くの温泉施設もRFLの参加者は割引価格で利用できる等、参加者にとっては楽しみが多い会場です。道の駅みたら室蘭内ではRFLのパネル展も同時開催され来場者の目を引いていました。

今年は18チーム、約50人のサバイバーが参加しました。毎年室蘭のRFLに来る事を楽しみにしている常連さんも多く、楽しそうにウォーキングするサバイバー、参加者の笑顔が印象的でした。
サバイバーズラップでは、フラッグを手に持ち思い思いのスタイルで歩くサバイバーも。こうした楽しそうな姿を目にして称える拍手も一段と大きくなります。サバイバーの足に負担をかけないようにとの配慮から作られた200mの小ぶりな土のコースは、子供からお年寄りまで常に人でいっぱいです。その流れは夜中になっても途切れず、会場は常に活気と一体感がありました。

室蘭は実行委員とボランティアスタッフとのチームワークが素晴らしく、参加者に対する“おもてなし精神”が楽しいプログラムとなって表れていました。2日目の朝にはポニーが来場し(!)軽やかにウォーキングコースを歩きました。昨年に続き今年もボランティアドッグが参加し会場内の人気を集め、室蘭礼文凧愛好会による凧揚げコーナーがあったりと盛りだくさん。自分で作ってメッセージを書いた「幸せの凧」が数多く空に舞い上がり、凧揚げをしながら歩く子供たちも。また、日鋼病院こもれびの会によるアロマオイルマッサージにはいつも人が立ち寄り大盛況でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

室蘭お馴染のトラックステージでは、北海道庁による「がん対策推進シンポジウム」が開催されました。今年北海道では「がん対策推進条例」が施行され、参加者の注目度も高く有意義な内容となりました。条例の紹介で、北海道保健福祉部の永沼郭紀さんが「きっかけは北海道のがん検診率が低い現状を改善しようと、第1回目の実行委員長であった故金子明美さんが強く請願されたこと」と語りました。金子健二室蘭副実行委員長は「闘病中はサバイバーもケアギバーも精神的にも肉体的にも辛い。363日辛くても1年に2日、そんな頑張っている自分を褒めてあげたい、その機会がRFL」と語り、洞爺温泉病院長の中谷玲二さんは「生存率が上がってきているのに、社会復帰した時の受け皿がない。就労率の問題を改善していくのがこれからの課題」と語りました。最後に、卵巣がんの体験を元に講和もされたアスパラの会の小林久美子さんから「仕事と身体のケアを同時に出来るように育児休暇のような制度があれば望ましい」との提言がありました。行政のRFLへの初参加もあり期待しているサバイバーも多く「道内でも都会と地方の検診率の格差がある。道庁でも施策としてその差を埋めるように頑張って欲しい」との声もあがりました。

夜には、澤知世さんの子宮頚がん体験を語る講演会も行われました。「命の心配よりも子供が産めるのか」という不安が先にたったという率直な言葉に胸を打たれ涙する聴衆が多く、涙ぐみながらも一生懸命に明るく話す澤さんの姿が印象的でした。学生時代の恩師からの「踏み外したところにも道がある」という言葉に感銘を受け、「これからはプラスに考えて何事にも取り組んでいきたい」との言葉で講演を締めくくりました。

室蘭ウォーキング協会がRFLの幟とチラシを持って室蘭市内を歩きました。
午前中に市内に向けて出発した彼らが夕方会場に戻ってきた時は盛大な拍手で迎えられました。

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり参加者も加わってルミナリエが点灯され、幻想的なHOPEの文字が浮かび上がりました。揺れるロウソクの灯りと白鳥大橋のライトアップが重なって、なんとも美しい光景がそこにありました。

エンプティテーブルでは、故金子明美さんに対するオマージュのセレモニーが行われました。願ってやまなかった北海道がん対策推進条令が今年施行され、道庁のシンポジウムが室蘭のRFLで初めて開催される等、明美さんの訴えが5年たった今年結実した印象を感じました。

2日目の朝は、はぴらん体操からスタート。朝食で人気だったのが、蟹のエキスたっぷりのてっぽう汁。北海道ならではの郷土食です。そして、サバイバーによるラストウォーク。200mとサバイバーに負荷をかけない長さのトラックを作った実行委員会のメンバーが「ありがとう」のプラカードを持ってサバイバーを笑顔で出迎えます。このワンシーンが室蘭のRFLを象徴しているかのようでした。

閉会式の最後は、サバイバーとチームリーダーの手によって放たれたハト風船が天高く舞い上がり、参加者達が笑顔で空を見上げる等、最後まで爽やかな締めくくりとなりました。

笑顔と涙の溢れる今年の室蘭RFL、今まで携わってきた方全ての命をつなぐような感動的な大会となりました。