一月は往ぬる(いちがつはいぬる)(2023年2月7日)
もう一月は終わり、二月になった。私の住んでいるところでは「一月は往ぬる」という表現がある。まさに今年の一月はそうだった。
「へー、そうなのか」京都から来た孫たち、いつもだと十二月三十一日に京都へ帰るのだが、今年は初めて一月一日に帰るという。元旦を共に迎えることができ、うれしく思った。そのためか、元旦にはどこにもいかなかった。例年なら氏神様で行われる「元旦祭」に参加するのだが、孫がいるからか、コロナ禍だからか不参加。
いつも通り、四時半に起床し、一人で雑煮を作って朝食をとる。その後は読書。「統合失調症の一族」だ。この本、五百二ページで定価三千四百円+税という大作。正月休みになってから読み始めたが、二月まではかかると思っていた。ところが興味深い作品なので、一月中に読み終えた。
内容はこの家族には十二人の子どもがいるが、六人が統合失調症に。調子を崩すと病院に入院、よくなると家に帰り、就職活動を始める。日本のように、福祉施設の利用はない。要は統合失調症というものを障害としてではなく、病気としてとらえているということかと思った。
孫は一日の昼、京都へ帰ったが、私は三が日、どこにもいかず。これは珍しい。以前は放鳥されて飛ぶ鶴を見に岡山後楽園に行ったり、尾道の千光寺に初もうでに行ったりしていたのに。職場で休みに入る前、「職員はコロナにならぬようしっかり注意してください」と管理者に言われたからか、今年四月に七十歳になる年齢のせいか。
十五日、学区ロードレース大会開催。今年度は体育会の役員をしているので、走路員として参加。広谷町平佐団地入口あたりを担当。
ランナーがこの辺りを通過するとき「この坂は思った以上にきついなあ。歩いてもいいかな」と言いながら歩く人がいる。私は「学区のレースだよ、一回ぐらい試走して参加すればいいのに」と言いたいが、今日は走路員「頑張ってください」と言ってすます。来年は是非ともランナーとして参加し、颯爽と走りたいと思った。
「一月には『大人の自閉スペクトラム症』について学習会をしましょう」と私が提案したが、新書を二冊読んだ。読んでいるときは「なるほど、こう考えるといいのか」と思うが、すぐに忘れる。そこでインターネットで読んだ本の内容に近いページを取り出す。よし、これでまずまず。学習会になっても何とか対応できるだろうと考える。
メールでやり取りしている胃がんの手術をした方が、いよいよ海外の自宅に帰宅。日本にいる間色々あったが、前向きに生活し、無事に乗り越えられた。充実感とちょっぴりさみしくなるなという思いに揺れる。でも、その後、海外からメールが届き、ほっとする。
一月の「あったか(絵本を読む会)」最初に読んでもらった「おめでとうおひさま」がよかった。「今年はどんな年にしたい?」とおひさまに訊かれると「なるべく○○にしたい」というように、みんな「なるべく」を使って答える。私も今年について「必ず~」ではなく、「なるべく~」と答えてみたいと思った。
手帳には日曜ごとに映画の題名、開始時間を記入し、電車の時間も書き加えておくのだが、とうとう一月中には映画も見に行かず。年齢のせいか、妻が「何もかも値上がりし、家計が苦しい」というのが応えているのか。
二十七日、府中市民病院で検診。ミニ人間ドックのようなもの。以前血圧が高く「このままでは帰せません」と言われた。それ以来ここで測ると二百近くなり、大変なのだが、一回目百四十三、二回目百二十八。よっし。
今月末までに来年度も雇用してもらいたいパート職員はお願いを提出する必要があり。いろいろ迷ったが、三十日提出。
清掃担当だが、利用者が高齢化、体力不足で参加者が年々少なくなっている。「ここらで人心一新するほうが職場にとっては良いのでは」と思ったが、もう一年努力したい。そして「なるべく参加者をふやしたい」と思って色々企画してみよう。忙しい一月だった。