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2023年04月15日

がん友のエッセイ

「人として大切なこと」より(2023年1月2日)

 「日本人の特殊能力、虫の音をメロディとして聞くことができる。これは日本語を母国語としている人だけ。他の人たちには虫の音は騒音として聞こえる」話を聞いていて、「へーそうなのか」と思うことが多かった。ペンキ職人shogen(今後はsgと表す)さんの『人として大切なこと』という講演である。

 この講演、絵本セラピストたぱちゃんに教えてもらい、ズームで聴くことができた。二時間を超える会だったので、印象に残ったところだけを記してみたい。

 私は1986年京都の丹波に生まれた。ある時、京都の街中でペンキを使って描いた素晴らしい絵に出会った。そこでその絵を学ぶため、アフリカ タンザニアのブンシュ村へ行った。そこの村長は八十歳、幸せの三ヶ条を教えてもらう。

一、一日に三食の食事ができる。

二、「ただいま」といったら「お帰り」と言ってくれる人がいる。家族でなくてもよい。

三、抱きしめたら「暖かい」と感じる人がいる。

 村長は自分の祖父が夢の中で日本人に教えてもらったことを私に教えてくれる。この村では昔の日本人の考え方が色濃く表れている。

 ほかにも、「友達とけんかをしたらその日のうちに仲直りしなさい。子どもは争っている大人を観たくないだろう。人は圧倒的な自然に飲み込まれたとき、すべてのことを許せる」と言われた。

 また、日本だと電車やバスが一分遅れただけでも「申し訳ありません」と謝罪する。効率を求め管理されているのでは。ちょっと考える時間さえないのでは。

 日本人は自己肯定感が高く、息を吸うとき、履くときでさえ自分に幸せを感じていた。

 sgは奉仕の思いが強すぎてひやひやする。優しいけれど、自分の心にある喜びのグラスがいっぱいになっているときに奉仕すればよい。だけどsgはすり減った時にも奉仕しようとしている。トラブルはすり減った人たちが誰かに奉仕しようとするときに起こりやすい。奉仕しようとするなら、自分の心を喜びで満たそうね。

 「私、子育てしているの。すごいでしょう」村の女性。「私、子育てしかしていません」今の日本人。自分の心に失礼。自分が生きてきたこと、していることを認めよう。

 日本人の親子がする寝る前の会話「宿題した?」「明日の用意は」等親が訪ねる。この村では必ず「今日一日の中でどんな幸せを感じられた?」と聞く。自分の心の中の声に耳を傾けよう。

 子供が「流れ星を捕まえに行きたい」というと一緒に行く。つかまえられずに帰ると「場所がちがったかな」翌日も探しに行こうとする。とめようとすると「流れているときは捕まえられないが、落ちているかもしれないだろう。それに対してロマン・夢はないのか」と言われた。

 無駄を省いて生きる者、効率よく生きる者に幸せはない。人が効率よく生きようとするなら、生まれた時、すぐ死ねばいい。人はいかに無駄な時間を楽しむために生きているのだろう。

 sgはなぜ子供の前で完璧な大人を演じるのか。子どもに不安な未来を感じさせるよ。絵を描いているとき、一色忘れてきたら「忘れた」といえばいい。「大人でもこんなことがあるのか」と安心するだろう。見ていた大人は「人間らしい」と思うよ。失敗・ミスは人間らしさだよ。

 日本人の口癖は
・やってみないとわからないだろう
・僕はあなたのことを信じているよ

この言葉のおかげで自分らしく生きている。

 寝るときには「sgお休み。今日も自分の人生を生きられた。明日も自分の人生を生きようねというのが日本人のあいさつ。本当の自分の心の声を聞いて生きてほしい」そのほうが前を見た時、明るくなるだろう」と教わった。

 少し自分なりにまとめた個所がある。

sgさんの出版物 絵本「やってみないとわからないでしょう」 自費出版