素晴らしい先輩(2023年2月15日)
私らしく生きるための五カ条
一、自分を丸ごと好きになる
二、自分のテンポを守る
三、一人時間も大切
四、口癖は「上等、上等」
五、何気ないことをいとおしむ
これは石井哲代さんの著書「一〇二歳、一人暮らし。」から引用した文章だ。石井さんは府中市出身、つまり私の先輩といえよう。だけど、この本は中国新聞に紹介されて初めて知った。
二六歳で結婚。教員であり、農家の嫁。子だくさんが当たり前の時代にこどもができなかった。夫に先立たれ、今は一人暮らし。「しんどい時があったからこそ、肩が軽くなった今の暮らしが喜びに満ちているのかもしれない。自分で自分をほめてやらないといけん」といわれる。
一〇〇歳以上ですから、若い時と同じようには働けない。自分のテンポを大切にしたいと思われる。
おしゃべりしたり、わいわいしたりするのも好きな人だが、一人で過ごす時間も大切。充電の時間と思えばよい。
「何事もいいようにとると気持ちが高揚する」と言われる。全くその通り。そのためには「上等、上等」といつも考えることがよい。
「特別なことのない毎日でも、まめで暮らさせてもらえる一日一日が自分にとっては上等」と言われる。
私はエッセイを記しだしたのは「『平凡だけど大切な出来事を忘れたくない』そういう思いを文章にしておけばよいのでは」と思って記しだしたが、最近はなんだか行事があった時だけという気がする。だから五は私に取り、とても大切なことだと思う。
次に哲代さんが大切にしている「健康で長生きするための八つの習慣」を紹介したい。
一、朝起きたら布団の上げ下ろし
わざわざジムに行かなくても運動できます
二、いりこの味噌汁を飲む
うちにある動物性食品です。
三、何でもおいしくいただく
ごはんの量は一回二膳が基本。一人の食卓でも「いただきます」「ごちそうさま」は欠かしません。
四、お天気の日はせっせと草取り
雑草で荒れると家や畑がかわいそうな気がします。
五、生ごみは土に還す
みかんの皮や野菜くずを肥料袋にためて堆肥を作ります。
六、こつこつ脳トレに励む
七、良英さんと会話する
二十年前に見送った夫の良英さんの写真を枕元に置いています。
八、柔軟体操をする
思いついた時に柔軟体操をします。体のあちこちを延ばすと気持ちええです。
今も「先生」と言われ、生徒たちが訪ねて来るという。本当に読んでいてほっこりする。私の文章を記すより、哲代さんの文章をそのまま載せるほうがよいと思う。それにしても、百歳を超えているのに、しっかりしているな。これだけの本が書けるなんて。認知症は全く感じさせない。
哲代さんの本、私の母(九十五歳)にも紹介したいと思う。時々読んでみたい。そのためにもこのエッセイは役立つだろう。
この本をもう一度紹介する。「百二歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方」著者 石井哲代 中国新聞社
発行所 株式会社 文芸春秋