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2023年09月02日

がん友のエッセー

暑い夏です(2023年8月27日)

 「いまさら言ってもなあ」という気もするが、今年の夏は暑い。むしろ「熱い」といった方がよい日がある。

私は今までの夏は扇風機をかけて寝ていたが、とうとう今年七月になるとエアコンをかけっぱなしで寝るようになった。初めての試みなので、電気代がちょっと心配。

 私が子供のころ、我が家の周りはほとんど田んぼ。夜寝るときは暑いが、「窓を開けっぱなしで寝ると子供は風邪をひく」と言われていた。そこで、窓を開けて寝た私の部屋の窓を母が閉めていてくれていた記憶がある。暑い、暑いといっても最高気温三十度くらいだったのかな。

 コロナも五類になったとはいえ、まだマスクをかけて外出している人がほとんど。これが応える。といっても、がんになり、抗がん剤を使用していた夏、私は毎日マスクをかけていたが、特にしんどいとか思っていなかった。生きるために必要と思っていたのかな。そしてがんの治療法には「温熱療法」というのがある。「暑い毎日は無料の温熱療法」と思えば過ごしやすかった。

 そういえば、職業として行っているリ・フレの清掃、以前は一階の清掃時、行事が予定されている日はフロアも含めてエアコンが作動していたが、行事が予定されていない日は事務所のみ。利用者は「暑い、暑い」と言いながら、清掃作業を行っていた。

 今年は行事がなくてもエアコンが作動して冷房が効いている。ずいぶん楽になったと思う。府中市も今年の夏の暑さでは、清掃作業も大変と気づいてくださったということだと思おう。

 ただ、リ・フレ清掃作業は「開所日は原則毎日」というのはしんどい時もある。月ごとの予定表を作成し、利用者に配布しているが、当日になり「暑さで疲れており、清掃には出られない」「暑さで昨日はよく寝られなかった」と言って、作業を変更される人がいる。

 そこで朝の会で募集すると手を挙げる人がいるが、聞いてみると体調の状況よりも「お金が欲しいから」と言って手を挙げる人がいる。だけど、ほかに手を挙げる人がいないので、参加してもらうこともある。そういう時、私はその人の支援を中心に仕事をすることが多く、かえって能率が上がらない日がある。これも障害者施設の作業なので仕方がないと割り切って行うしかない。

 先日、職場の親睦会で尾道千光寺公園に行った。ロープーゥエイで山頂駅に着き、そこから展望台に上がり、千光寺見学の予定。だけど、暑いので千光寺はやめようということになった。展望台にみんなで行くとき、展望台をパスし、すぐお土産店に入りジュースを買って飲む利用者がいた。そこで私は展望台から尾道の景色を眺めるのをあきらめ、お土産店に行った利用者に付き添った。暑いのはわかるが、出発時にペットボトルのお茶を配っているのですぐにジュースはどうだろう。「水中毒」という言葉があるのだけど。これも暑さのせいかな。

 暑い夏といっても悪いことばかりではない。六月末だったか、パソコンの画面が突然曇ったような色になり、画数の多い字はにじんだようで読むのが難しくなった。そこでパソコンを買ったエディオンに相談に行く。「これは故障ですね。画面を変えるかテレビにつないでテレビの画面を見ながら操作するしかありません。画面を変えるには七万~八万円かかります」と言われた。

 「待ってください。八万円なら新しいパソコンを買うこともできますよね。もう治ることはないのですか?」と聞くと「電気の故障ですから暑い日が続く、もしくは寒い日が続くと少数ですが治ることもあります」と言われた。

 「どうしよう」と思いながら悩む日々。府中市の最高気温が三十七度を超えた次の日、パソコンのスイッチを入れると若干画面が白くなったように思えた。操作をしてみると、なんと画数の多い字でもにじんで見えることはなく、はっきり読むことができる。「やったー七万円儲かったぞ」思わず心の中で叫ぶ。暑いお夏に最も良いことが起こったぞ。暑さに負けず生活しよう。