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2023年09月09日

がん友のエッセー

がんについて考える期間(2023年9月6日)

 私はいつも九月上旬になると、がんについて考えることが多い。「なぜかなあ」とおもう。九月が「がん征圧月間」というのを知らなかった時からだ。

 ところで「がん征圧月間」というのは、一九六〇年から毎年九月をがん征圧月間と定め、がんとその予防についての正しい知識の徹底と、早期発見、早期治療の普及に取り組むこと(日本対がん協会)だ。

 そのためもあるのか、職場でとっている読売新聞「医療ルネサンス」というコーナーでは八月末にがん患者会、九月初めにがん拠点病院について取り上げていた。

 やはり、私のがん「スキルス胃がん」の全摘手術が八月二十八日というのが考える期間に影響しているのではと思う。

 胃がんが見つかったのは十二月末。「大きな病院で手術を」と医師に言われ、翌年一月、岡大病院へ。そこで検査を受け、「抗がん剤が効かなかったら余命三か月程度かな」と言われた。

 ところが抗がん剤が思いのほかよく効いたので六月下旬には手術ができる状態に。だけど六月に手術をすると、帰るのが七月末。「暑すぎます。我が家にはエアコンがないのにどうして夏を乗り越えようか」といったところ、「じゃあ、八月下旬に手術をし、九月下旬に退院ということにしましょう」と岡大病院の主治医が提案され、八月二十八日手術となった。

 我が家の家族は「五年生存率は十%程度」と言われていたので、五年目くらいまでは盛大に祝ってくれた。だけどその後は「医師が何と言おうと、父さんはもうがんという気がしない」といい、祝ってくれる時もあれば忘れているときもある。

 給料だって、初めのころは「一度覚悟したのだから、思うように使えばいいよ。それで、もし少しでも残ったらちょうだい。台所のお金として使うから」と言っていた。

 最近は「えっ!これだけ、先月は何があったの。少ないじゃあないの」と言われ、「金銭帳」を見て説明することもあり。「普通の夫として認めてくれたのかな」と思いうれしくなる。

 今年の八月二十八日、生きがい療法で有名な伊丹医師よりメールが届く。「今日は八月二十八日ですね。がん克服十七周年おめでとうございます。暑さに負けず、お仕事も続けられているご様子で何よりです(以下略)」

 とてもうれしかった。エッセイは作成すると送っていたが、十七周年だなんてしっかり覚えていてくださったことが、とてもうれしい。

 伊丹先生、八月には「日米合同富士登山記念講演会」を東京で開催されたことも記されてあった。当日講演されたこと、後日送っていだけるそう。
届いたらしっかり読んでみたい。

 伊丹先生といえば、コロナが始まる直前、四年前の二月だったか、自らが理事をされているホスピタルアート協会の絵を「すばる(すばるクリニック)からすばる(社会福祉法人すばる)へ」とのスローガンのもと、私が所属する職場へ送ってくださった。「よし、この絵を生かして他の病院や堺福祉法人と交流しよう」と意気込んでいたが、コロナ禍でそのまま。利用法をもう一度考えてみたい。

 もちろん九月といえば、RFL広島の開催がある。上旬には「ルミナリエ袋になんと記そうか」と考える。そして「ルミナリエステージでスピーチをするのだけれど、なんて言おうかな、なんて言ったらいいのかな」と考える。

 私は再発転移がなく、食事に関すること以外は順調。だから話す内容も特に変化はない。でも、同じ人が聞きに来られ、「また同じことを言っているな」と思われるよりは「ふーん、そうなのか」と新しい思いで聞いてもらえればという思いがある。

 そこで、今年も九月になると手術の前後に記したエッセイ集をしっかりよんでいる。同じ内容でも、感じ方が少し変わって読めることあり。

 がんについて考える期間がはっきりしているのも、いいのかもしれない。