久々のハーフ(2024年3月9日)
「へー、あなたは毎月二百キロ以上ジョグしているのですか。すごいですね。私もジョグしているけれど、月百キロ以上走ったらフルマラソンに出場できると思っています。あなたはウルトラマラソンを目指してくださいね」職場からの健診の際、府中市民病院の医師に告げられた。昨年十二月上旬のことだ。
この発言を聞き、思い出したことがある。府中市で杉浦貴之さんのコンサートが開催されたとき、参加しているがん患者が希望を語るとき、「私は胃を全摘していますが、フルマラソンを完走しています。七十歳になっても完走したいです」と告げている。周りの人が「大丈夫、あなたならできる!」と言って盛り上げてもらった。
「うーん。フルは無理だろうな。でも、思い切ってハーフに挑戦してみることにしようか」「全国健康マラソン井原大会」にハーフの部に申し込んだ。
以来、十二月はしっかりジョグ出来たが、一月は土・日曜日も行事があり、あまりジョグの距離が伸ばせない日があった。だけど、気持ちは「三月にはハーフに出場」でしっかり練習していた。二月十六日、ジョグの途中、右足の太もも裏に痛みを感じる。「まあいいか。近くだしジョグのままうちまで帰ろう」と思いジョグしていると、だんだん痛みが増す。仕方なく歩く。歩いてもいたい。「まあ、寝て起きれば痛みは引くだろう」と思い、その日はあまり気にかけなかった。
翌朝起床するが、痛みは引いていない。でも歩くだけなら大丈夫。「うん、これなら病院で診てもらうこともないだろう。そのうち治るよ」ということで、ジョグはやめ、散歩にとどめる。
ちょうど一週間後、「そろそろだな」ゆっくりジョグする。「うん、大丈夫だ。だけどハーフはどうだろう」何しろ長い距離をジョグすると太もも裏が気になりだす。「よし決めた。当日まで練習だ。それでだめでも井原には行くぞ。走れないと思ったら中止にし、田中美術館へ行こう」現在国立劇場から二十年ぶりに鏡獅子が里帰りをしている。それを見るのも意義がある。
一年のうち、ジョグが出来なかったのは一週間だけ。それまではしっかりジョグをしているのだからハーフなら大丈夫と思えばいい。ただし、ハーフの部出場資格は「二時間三十分以内で完走できる人」というのがある。これはどうだろう。まあいいか。
当日三月三日、八時過ぎ会場井原運動公園に到着。会場の土は最低気温が零度以下ということでかちんかちん状態。これは過去に経験しているが、ゴールころには溶けてぐちゃぐちゃになり、靴や服が汚れ放題。気を付けなければ。
十時スタート。グラウンドから出るとすぐ下り坂、ここはまだ集団だし、右足のことを考えるとゆっくりペース。その後次第に間隔が空くと少しずつペースを上げることにしよう。
十キロ通過、まだ大丈夫。ペースが落ちないし、右足も痛みがない。もうすぐ折り返し地点だ。このまま行けるかも。何しろ井原のコースは坂道がほとんどない走りやすいコース。ただ、川が近いので風が吹くと影響を受けやすい気がする。
折り返して少し行くと、ポシェットからカロリーメイトを取り出し食す。最近十二キロ以上走ったことがないのでエネルギー不足にならないよう、少し早めの捕食。もうすぐ給水所なのでそれも考えての行為だ。
あれ、おかしいぞ。二十キロ付近だったかな。右足の痛めたところではないが、膝が痛いぞ。スピードを落として歩くと何ともない。よし、これならゆっくりジョグしよう。行けるところまではジョグしたい。何しろ二時間三十分以内というのがあるが二時間はすでに過ぎているだろう。
最後の運動公園までの坂道。ここでラストスパートができないのは残念だが、ゆっくりだが前進。トラックに入ると予想通り土はぐちゃぐちゃ。もうしょうがないが懸命にゴール。
タイムは二時間二十八分三十四秒。よーし、制限時間内だ。参考までに順位だが、六十歳以上の部で六十三人中五十位だ。ただし、七十歳以上は私も含め、十人。総合だと三百八人中二百五十五位。
完走賞だが、例年だとカレーだが、今年はなぜかパン。ピーナツをつぶし、クリームと一緒にはさんだパンをいただく。歯触りもよくおいしかった。気になっていた膝の痛み、次の日には治っていた。よかった。次は福山マラソンだ。