認知症の人と家族の集いより(2024年11月22日)
府中市では「認知症の人と家族の集い」という催しを開催している。私の母は、認知症の人のためのグループホームに入っているので、この会に参加している。今回は十一月十九日に開催された。
テーマは「私が認知症になったら、話を聞いてね」で講師はオレンジカフェ「住めば都の・・」世話人Mさん。題だけでも魅力を感じる。場所はもちろんオレンジカフェ。認知症の家族、支援者そして自分が認知症になりたくない人などが参加している。それでは今回もⅯさんの話の要旨を記してみたい。
私は子どものころからみんなの世話をしたい、役だつようなことをしたいと思っていました。最初の就職先は六方学園。その後、主として府中市社協で働きました。そこで包括支援センターに出向し、高齢者の支援に関心を持ちました。
今は私も軽度認知障害を持っていますが、オレンジカフェを開いたきっかけはテレビで「生きている限り現役で暮らしたい」という番組を見たことからです。大阪へ行き、「認知症カフェ」について学び、平成七年から始めました。最初は福祉法人の一角で行っていましたが、今では自宅で行っています。
目標としては専門家の話を聞き、認知症の学習をする。認知症の人と社会との交流等です。カフェ活動は毎月一回十時~十二時までの開催。内容は「リンパ健康体操」「音楽療法」「認知症の話」「食の話」「アロマトリートメント」等毎回違った内容です。
それでは私の願いを話します。まずは静かに話しかけてください。
認知症にもいろいろ種類がありますが、見えないものを見たように感じる人がいます。「蛇がいる」と私が叫んだら、「じゃあ、見てくるね」と静かに言う。しばらくあちらに行き、帰ってきたら「マムシや山案山子じゃあなかったよ」と言ってください。「クマがいる」と言ったら、「あの熊は弱そうね」と言ってください。
「家に帰りたい」とよく言う方がいますが、そんな時は心に不安を抱えていることが多いのです。まずは落ち着くような対応を。
認知症の方が同じことを言うのでつい叱るような言い方をする場合があります。でも認知症の方はとても忘れっぽくなっているし、怒られたことも忘れる方が多いです。言ったことを後悔しなくてもいいのでは。それよりも次はこのように接しようと考えては。
認知症の方は、誰だかわからなくても、やさしく微笑みながら話す人が好き。知性は衰えていても感性は磨かれている。着心地の良い服を着たい。やさしい人のそばにいたいという気持ちはほとんどの方が持っている。
認知症の学習をして、正しい情報を周りの人に伝えることが大切では。
Mさんは自分が学習した認知症の本を途中何冊も紹介しながら話された。そして「私の接した人、学習したことを中心に話をしたので、今日の話と違う方もおられるのでは。まずは『自分が認知症になったら、こんな風に接してほしい』というのをノートにまとめておくことが大切では」と締めくくられた。まさにそうだなと思った。
交流会では、長谷川式認知症のテストの話が出た。そこで私の母が受けた後で「テレビでやっていたから、練習してきたので、思ったよりできた」と言ったことを話す。皆さん、「認知症の人が練習するかなあ」と言われたが、私自身も少し疑問に思う。本当に軽度だったのかな。
今日は良い会だった。次回の「音楽療法士による心温まる音楽」も参加だな。