雨の神戸(2025年6月18日)
「よっし、百均へ行き、半透明のレインジャケットを買っておこう」決断すると、すぐに行って購入する。私は薄いレインコートは持っているが、色が濃紺。リレーフォーライフ(RFL)神戸のキャンドルランに参加しても、ゼッケンナンバーが見えないし、選んだTシャツの模様もわからないなんてつまらない。
Tシャツは「希望の会」「RFL神戸」「RFL広島」の三着。ランで汗をかくかもしれないし、雨が降っても着かえられる用意を考えると今日六月十四日だけは三着必要と思う。
高木駅を十五時八分発のJRで出発するので、昼過ぎ、RFL神戸ホームページを見る。テラノザウルスレースは中止になったとあり。テラノザウルスの着ぐるみ着用でのレースは雨風の影響を受けやすいとの理由だ。こちらはほとんど雨が降っていないが、神戸はやはり雨なのか。
いよいよ高木駅を出発する。電車内では傘を持っている人の方が少ない。福山駅で新幹線に乗り、新神戸に向かう。岡山では雨は降っていない。このまま神戸も降らなければ良いのだが。
三ノ宮駅に着き、会場みなとの森公園に向かう。駅を出るとすぐに傘は必要。「やはり雨か。せめて小雨ならいいのだが」
会場「みなとのもり公園」に着く。すぐにⅯさんにお会いし、挨拶を交わす。「皿海さん。よくいらっしゃいました」話をしていると後方より声がかかる。振り返ると「対がん協会」のブースからTさんがほほ笑んでいる。二人に会えてとてもうれしいのだが、両者ともに長靴。私はキャンドルランに参加。ランなので雨の可能性が高いとあってもジョギングシューズ。仕方ないな。
十九時、キャンドルライトセレモニーが始まる。神戸のルミナリエはろうそくを使用。広島と違う点は、HOPEの部分は参加者皆で作成。ただし、今年は雨があり、風もあるので、すぐに消える箇所あり。実行委員はその都度点火しなおし、忙しそう。
いよいよ二十時三十分。シンボルたすきの引継ぎ式。引き継いだ方ランナーはサバイバーの方だったので、私としては安心。四十五分、スタート!
雨が強いので、予定通り半透明のレインジャケットと濃紺のレインズボン。ゆっくりランというより、いつものジョグのペースなので落ち着いている。しばらくランしたが、雨は降り続く。「ここは傘をさしてウォークにしよう」
私の職場は最低限の職員で構成されている。気軽に休むわけにはいかない。そこで傘の出番も考えた。先月中旬私は風邪をひき、しんどい思いをした。家族が順番に風邪をひいていたので、「私の順番が来たのか」と思ったが、数日前、雨の中でジョグをし、ぬれねずみになった。その影響はほとんどないとは思うが、雨で濡れることはやめておきたい。レインコート着用だが、百均で購入したので長時間雨の中にいるとしみるのか濡れてくる。特に今度の土曜日二十一日は午前中リフレのワックス清掃、午後わかばのワックス清掃。こうした中、清掃担当職員が風邪をひいて休むわけにはいかない。最善を尽くそう。
傘をさしてウォークしていると、ランする気持ちが減少してきた。「このままウォークで一晩過ごし、明日の朝、雨がやんでいたらランにしようかな」と思うようになる。
だけど、RFLの起源はアメリカの医師が「がん患者の救済に」と、一晩走り続け、それに応じて寄付を募ったからという。がん細胞は雨風に関係なく、昼も夜も増え続ける。そういうことを思うと、キャンドルランの条件は厳しくてもかまわないといえる。今夜は最高。
とはいえ、二十二時を過ぎるとだんだん小雨になってきた。だけど私はウォーク。ランする気分にならない。こんな私がキャンドルランに参加しても良いのだろうかと思い始める。
ただ、私はすでに七十歳を超えている。六十代のころまではランが大好きで、胃の全摘をしてからだが、フルマラソンを五回完走している。コロナで三年くらいだったかロードレースに全く出られない時期があった。それ以来走力が落ちてきたのではと思う。
とはいえ、毎月二百キロ前後一人でジョグしている。一日当たり六~七キロだ。こんな私だから、そして全摘してから十八年が過ぎようとしている。医師は「スキルス胃がん全摘の五年生存率は十%程度」と言っていたのに。「だからこそ、がん患者に少しでも役立つことをしたい」という思いから申し込んだのだが。
「もうキャンドルランは今回が最後とし、次からはウォークにしようかな」と思い始める。時計を見ると二十四時を過ぎている。「よし、こんなことで悩んでいるより、少し寝よう。起きてみてまた考えながらウォーキングだ」私は普段二十一時就寝なのだから。
目が覚める。時計を見ると二時過ぎ。二時間の就寝時間となる。いつものRFLだと四時間くらい就寝しているが、今回はランよりもほとんどウォークなのだからしょうがないよな。
ゆっくりウォークしてみるが、まだランする気にはならない。「まあいいか。このままウォークして、ゴール時間あと一時間半くらいでランに切り替えるのもよいだろう。
それにしても夕食は十八時ころ関西風お好み焼きを食べただけ。あとは時たまバナナを小さく切ったものを食べただけ。起床したので一口くらいのどら焼きを食べたけれど、これでお腹が空かない。低血糖の気配もない。いつもこうだと、捕食をする必要もなく、糖尿病も良くなるだろうに。
ゴール時間は八時四十五分。「現在七時を過ぎたからそろそろランした方が良いのかなあ」と思いながらフードテントでお茶を飲んでいると「シンボルたすきをかけてもらいたいのですが」いつも神戸・芦屋のRFLで私に声をかけてくださるランナーが今回も声をかけられた。「シンボルたすきをかける以上、本気でランしないといけませんよね」と言いながら受け取る。
一周思い切ってランする。気持ちがいいけれどすぐに疲れそう。次のランナーを探しお願いする。気持ちよく受けてくださりほっと安心。
ゆっくりランしながら、思い返す。以前はあとわずかの時間となったらもっとスピードのあるランだったよな。まあいいか、こんな自分でもがん患者のために何かしたいという思いはある。それを信じてゴールだ。
ゴールしたら、「みんなでもう一周ウォークしましょう」と実行委。「のぼりを持ってでもよいですよ」そうだ、前回まではⅯさんの横断幕をもって先頭あたりを歩いていたよな。今日はⅯさん、来られていないよな。昨夜話ができたからいいが、近々入院し、目の手術をされるそうだから、今日は自宅で休養されているのかもしれない。そういえば、神戸RFLで会う約束をしていたSさん、「仕事の関係で来られなくなった」ということだが、残念。でも、RFL芦屋に参加すれば会うことも可能。
あれ、もうRFLに参加する方向で考えている。芦屋といえばやはりキャンドルランに力を入れているのに。
さて閉会式も無事終了。いよいよ記録賞をいただき、寄付をする時間。寄付は個人の部だと、一キロにつき二十円。私は八百~千円の間が目標だがどうだろう。「よし、いいぞ」四十三・二キロなので八百六十円。なぜほとんどウォークなのにこんな数値が出たのかな。そうだ、睡眠時間がいつもの半分で、ウォークの時間が多かったということか。ただ、フルマラソン完走の経験がある自分としては五十キロ以上、千円以上が出ればよいのだろうが。
「皿海さん、あなたのことフェイスブックに載せたから、あとで確認しておいて」私の支援者たちはうまく編集して載せてくださる。そしてそれを見て「いいね」を付けてくださる人がいる。私を気分良くさせてもらえる。うれしい限り。
帰りの新幹線、気持ちよいが、眠くてしょうがない。眠ったら新幹線だけに一駅乗り越しても大変だ。何か起きているためにしなくちゃあ。そうだ、今日学区の公民館で寄席がある。私がチケットを買ってあげた人に「楽しんできて」とメールを打とう。スマホだと画面が小さいし、眠いのでなかなか打てない。時間稼ぎに良い。
無事福山駅で降りることができました。あとは福塩線、ここはもう大丈夫。雨の神戸から無事に帰宅出来ました。













