テーマ:若年がん患者さんの悩みとそのサポート体制
日時:2018年6月30日(土) 13:30-14:30
場所:東京医科歯科大学知と癒しの庭 屋外ステージ
ケアの視点から、若年がん患者さんの悩みとそのサポート体制について考えます。HPをご覧になっておられる皆様にも当日会場に足を運んでいただいて、一緒に考えて頂けますと幸いです。御出演者の皆様をご紹介します。
御出演者の皆様
あおぞら診療所新松戸 院長 星野 大和 さん
東京医科歯科大学小児科認定 チャイルド・ライフ・スペシャリスト 村瀬 有紀子 さん
東京医科歯科大学 緩和ケア病棟・腫瘍センター 看護師長 本松 裕子さん
日本対がん協会 がん相談ホットライン 社会福祉士 北見 知美 さん
小児がんサバイバー 宮城 順 さん
小児がんサバイバー 井出 祐太郎 さん
東京医科歯科大学 学生 永嶋 一貴 さん
御出演者の方のご紹介
星野 大和 さん
(あおぞら診療所新松戸 院長)
あおぞら診療所新松戸は、松戸市内を中心に0歳から100歳まで、通院困難な方を断らずに受け入れ、現在約420名の訪問診療をしています。
AYA世代のがん患者さんのサポートをさせていただく機会は増えており、私が勤務を始めた2013年から今まで11名の方とお付き合いしています。またうち6名の方とは在宅でお別れしました。
中心静脈栄養や胃瘻栄養などの医療機器の交換管理や、感染を起こしてしまった時の抗生剤治療、病院のがん治療と並行する疼痛のコントロール、最期まで家にいられる緩和ケアなど在宅でできる医療は多くあります。
また医療だけではなく、地域の介護や福祉のサービスを紹介・コーディネートすることもできます。
このような在宅診療は、住み慣れた家で家族と過ごす時間を長く、かつ快適にすることができる一つの手段だと思っています。
当日皆様とお会いさせていただくことを楽しみにしております。
村瀬 有紀子 さん
(東京医科歯科大学医学部附属病院小児科 認定チャイルド・ライフ・スペシャリスト)
チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)は医療環境にいる子どもとその家族の闘病を心理社会的な面から支え、困難なことを乗り越えるお手伝いをする職種です。アメリカで専門教育を受け、日本に導入されてからまだ20年ほどの若い職種です。医療環境は子どもにとって未知のこと、怖いことがたくさんあります。それに直面した時、やらなくてはいけないこととやりたくない気持ちの間で子どもは揺れ動きます。CLSは子どものそういう気持ちを受け止め、子どもが困難に感じている理由を確認しながらその子が自分なりに対処できる方法を子どもや家族と一緒に考え、乗り越える道のりに寄り添います。
親が重篤な病気を持つ子どももCLSは支援します。親が病気になった時、子どもへの対応に迷われます。CLSは患者さんやその配偶者と相談しながら、子どもがその状況を受け止めるお手伝いをします。
子どもは大きな力を持っている存在です。医療に接する子どもが環境や状況の影響で立ち止まってしまった時、本来持っている力を発揮するためのお手伝いをするのがCLSの役割です。
北見 知美 さん
(日本対がん協会 がん相談ホットライン 社会福祉士)
「がん相談ホットライン」はがんに関する不安や悩みのある方のために、看護師や社会福祉士の資格をもつ相談員が無料でご相談をお受けしている電話相談です。
がんの疑いや心配がある方、がんと診断されたばかりの方、治療中や治療を終えられた方、大切な方を亡くされた方など、患者さんご本人はもちろん、ご家族、ご友人、会社の上司や同僚の方など、どなたでもご利用いただけます。
全国から年間1万件以上の相談をお受けしていますが、一つとして同じ相談はありません。治療や副作用のこと、仕事やお金、家族のこと、生活に関わることや生き方に関すること、気持ちの持ち方、不安な気持ちを聞いてほしいなど様々な相談が寄せられます。
ご相談者がどのような悩みや不安を抱えてお電話くださったのか、まずはじっくりお話を伺い、気持ちに寄り添いながらご相談者と共に考えていきます。不安が少しでも和らぎ、がんのことで埋め尽くされていた心が少しでも軽くなることを願い、日々相談をお受けしています。
宮城 順 さん
(小児がんサバイバー)
1989年、7才で慢性骨髄性白血病を発症。
翌年兄弟間で骨髄移植。
今年の3月に移植から10000日を達成。
現在は晩期合併症の治療をしながら、フルタイム勤務や患者会(NPO法人血液患者コミュニティももの木)の活動を行っています。
発病してから30年目を迎え、患者目線からたくさんの情報発信をしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。