画期的ながん治療法や患者のQOL改善などを目指す日本国内の研究に対し、「リレー・フォー・ライフ」に寄せられた寄付をもとに助成する
リレー・フォー・ライフ・ジャパン「プロジェクト未来」研究助成。
今年度の採択者が規定の審査委員会および日本対がん協会理事会の承認を経て、下記の通り決定しました。
リレー・フォー・ライフ・ジャパン(RFLJ)「プロジェクト未来」研究助成金
2015年度 採択者
Ⅰ分野(基礎研究・臨床研究)合計:1500万円(五十音順、敬称略)
申請者名 | 所 属 | 申請テーマ | 助成金額 |
青木 正博 (アオキ マサヒロ) |
愛知県がんセンター研究所 分子病態学部 |
がん悪液質の病態生理解明と治療戦略の基盤構築 | 200万円 |
梅田 雄嗣 (ウメダ カツツグ) |
京都大学大学院医学系研究科 発達小児科学 |
小児固形腫瘍共通の細胞表面抗原をターゲットとした新規抗体治療の開発 | 200万円 |
奥野 友介 (オクノ ユウスケ) |
名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター |
次世代シーケンスによる小児急性リンパ性白血病 治療成績の改善 | 100万円 |
神奈木 真理 (カンナギ マリ) |
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 免疫治療学分野 |
成人T細胞白血病の発症予防ワクチンの開発 | 200万円 |
駒野 淳 (コマノ アツシ) |
国立病院機構 名古屋医療センター 総合診療部 臨床検査科 |
成人T細胞白血病ウイルスを体内から除去する方法の開発 | 100万円 |
田中 正光 (タナカ マサミツ) |
秋田大学大学院医学系研究科 分子生化学講座 |
中皮細胞の鎮静化による消化管癌の浸潤・播種 抑制療法の開発 | 200万円 |
月田 早智子 (ツキタ サチコ) |
大阪大学大学院 生命機能研究科/医学系研究科 |
胃上皮細胞タイトジャンクション(TJ)を構築する、膜貫通蛋白質クローディン(Cldn)18の、ノックアウトマウス解析からみた炎症がんの発生機序 | 100万円 |
長山 聡 (ナガヤマ サトシ) |
がん研有明病院 臨床研究部及び大腸外科 |
腸内細菌叢の変化による大腸癌発生のメカニズムの解明 | 100万円 |
能正 勝彦 (ノウショウカツヒコ) |
札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学 |
消化器癌の発癌予防や個別化治療を目指した 常在微生物群ゲノムの解析 | 100万円 |
原田 浩 (ハラダ ヒロシ) |
京都大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学/画像応用治療学 |
UCHL1-HIF-1依存的ながんの遠隔転移を抑制する治療法の開発 | 100万円 |
山本 博幸 (ヤマモト ヒロユキ) |
聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 |
B型肝炎ウイルスゲノム組み込みとエピゲノム変化を標的とした肝癌の本質的病態解明と革新的臨床応用 | 100万円 |
Ⅱ分野(患者・家族のケアに関する研究) 合計:500万円(五十音順、敬称略)
申請者名 | 所 属 | 申請テーマ | 助成金額 |
明智 龍男 (アケチ タツオ) |
名古屋市立大学大学院 医学系研究科 精神・認知・行動医学分野 |
小児がん患者・家族に対する新たなサポートシステムおよびケア方法の開発研究 | 50万円 |
内富 庸介 (ウチトミ ヨウスケ) |
国立がん研究センター 支持療法開発センター |
抗がん剤治療中止時期の患者への質問促進 パンフレットの開発 | 70万円 |
遠藤 源樹 (エンドウ モトキ) |
東京女子医科大学 衛生学公衆衛生学第二講座 |
中小企業における、がんサバイバーの病休・復職・退職等大規模実態調査と復職支援への応用 | 50万円 |
北野 敦子 (キタノ アツコ) |
国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科 |
-母と子、ふたりの命を救う!‐ 妊娠期癌ホットラインおよび診療ネットワーク 開発に関するアクションプラン | 80万円 |
里見 絵理子 (サトミ エリコ) |
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科 |
患者の支援ニーズに基づいた未成年の子供をもつがん患者を支援するためのプログラムの開発 | 50万円 |
清水 研 (シミズ ケン) |
国立がん研究センター 中央病院精神腫瘍科 |
造血幹細胞移植後のサバイバーを対象とした精神的ケアに関する研究 | 50万円 |
津端 由佳里 (ツバタ ユカリ) |
島根大学医学部附属病院 呼吸器・化学療法内科 |
高齢がん患者に対する治療の最適化を指向した総合的機能評価ツール(CGA;comprehensive geriatric assessment)の開発 | 50万円 |
津村 麻紀 (ツムラ マキ) |
法政大学 現代福祉学部 平塚共済病院 呼吸器科 (緩和医療チーム) |
総合病院のがん患者、その家族およびがん医療に携わる医療従事者のための心理職による援助活動モデルの検証に関する研究 | 50万円 |
古屋 充子 (フルヤ ミツコ) |
横浜市立大学 分子病理学講座 | 新しい家族性がん【バート・ホッグ・デュベ(BHD)症候群】の包括診療 | 50万円 |
今年で4回目を迎える研究助成も、今回は昨年の69件を超える87件の申請がありました。
内訳としてⅠ分野(基礎研究・臨床研究)への申請が64件、Ⅱ分野(患者・家族のケアに関する研究)が23件でした。
年々研究内容のレベルも高くなり、審査員の方々も選考に随分と苦慮されたと伺いました。
今年度より助成総額を2000万円に増額し(前年度までは1500万円)、より多くの研究を助成し将来を期待したいという意見が支持され、
Ⅰ分野の中から11件、Ⅱ分野の中から9件の計20件に総額2000万円を分配することになりました。
本助成制度は画期的な治療法につながると期待できる基礎的な研究、そうした成果を臨床につなげる研究や患者のQOLの向上などを患者側から支援しようというものです。RFL関係者の大きな期待が込められています。
各助成対象者の詳しいプロフィール等は今後ご紹介する予定です。