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1人じゃないと思えることの心強さ

2007年11月05日(月)

2007年9月15日に「リレー・フォー・ライフ芦屋」が行われました。
実行委員会のメンバーとして参加した今仁ゆかりさんから、コラムが届きました。

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リレー・フォー・ライフ芦屋の会場で「にっぽんの現場」に出演した北山さん、
絵本テント担当の竹内さんたちと兵庫県マスコットのはばタン。

3年前に16歳の息子が精巣腫瘍と宣告されました。
泣いてばかりの母親とは反対に告知後、自分なりに目標を決め突き進む息子。
その姿をみてこの子の命は私が守る!と心に決めたのです。
子供の命に後悔はできないですから。

闘病中は本当にたくさんの方に助けられ無事退院することができました。息子の命を助けてくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
この感謝の気持ちを形にしたいと思った時出会ったのが、第1回がん患者大集会。
がん患者自らが日本のがん医療向上の為活動する姿を見て、患者でない自分にも何かお手伝い出来るのではと大阪の患者会に入会して2年半。
今も毎月大阪の患者会での活動は続けています。情報量が患者の命を左右する。少しでもたくさんの情報を伝えることも患者会の仕事。

昨年「リレー・フォー・ライフを関西で実現する集い」と書いた用紙を手に笑顔で現れた大隅さん。戸惑う事無くスタッフに登録しました。
なぜならば出会いの大切さが、がん患者・家族にとってどれほど大きいかを私自身、身をもって感じた1人だったから。

息子の病気は10万人に1人といわれています。
そんな稀な病気ですが、入院中、同じ病気の息子さんをもつお母さんお二人との出会いがありました。
私たち3人の合言葉は「絶対大丈夫!」。検査の時、手術の時、人目も憚らず大きな声で「絶対大丈夫!」。同じ経験をしたお母さんとの出会い、1人じゃないって思える事がどれだけ心強いものか。
芦屋で開催されたリレー・フォー・ライフでは、全国からたくさんの方が集まり、たくさんの出会いがありました。参加された皆様が私達スタッフに「ありがとう」と声をかけて下さいます。
こちらこそ皆様の素晴らしい笑顔からどれほどの勇気をいただいたか。心から「ありがとう」。「本当にありがとう」
ボランティアで参加した息子も皆様の笑顔から得るものが大きかったのでしょう。
「命のリレー」を繋げていくことが私達親子のこれからの目標となったのです。

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サバイバーフラッグのテントでボランティアとしてお手伝いしている息子。

彼のメッセージは「勝った!」。サバイバーがこのフラッグを持ってトラックを一周してからリレー・フォー・ライフは始まります。

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娘の結婚式で。

我が家は母子家庭です。息子が入院中、泣いてばかりの私を叱ってくれたのも娘。抗がん剤で鬱状態になった息子も娘が来た時は笑って話してました。3人の絆が病気を乗り越えたことで、より一層深まったことは間違いありません。

息子の病気はまれな病気ですが、乳がん同様、自己検診できる数少ないがんです。
しかし、息子のように思春期ですと親にも言えず進行してしまい、転移したところから症状がでて発見されるケースが多いです。
息子の場合も、症状が現れてから3年経っていました。
何でも話せる環境を作れなかったことを後悔もしました。

『精巣腫瘍』という名前が文字になることで、1人でも多くの方にこの病気を知ってもらい、早期発見につなげたい。
今、私は大学・高校のホームページに投稿して、学校で少しでも話題にしてもらえたらいいな?と計画中です。
子供を亡くすこと、これほど辛いことはありませんからね。

来年、娘に子供が生まれます。
新しい命の誕生に感慨深いものを感じると共に次の世代へ、この「命のリレー」を伝えることの大切さを今感じています。
「がんは怖くない病気」。そんな日が来るまで。

今仁ゆかり
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プロフィール
今仁ゆかりさん
愛知県在住。46歳。三重県出身。
3年前、16歳の息子が精巣腫瘍と宣告された。
19歳になった息子は大学で管理栄養士を目指して勉強中。
昨年、リレー・フォー・ライフ関西実現に向けて動き出した大隈さんと出会い、スタッフに登録。
リレー・フォー・ライフ芦屋では感動の24時間を皆様からいただきました。 Trypcirpostlove