絵本を読みました(2023年3月29日)
スキルス胃がん患者&家族を支援する会「希望の会」主催絵本の会「あったか」が三月二十三日、第十回という記念の会を迎えた。私は「あったか」という名前を付け、定期的に開催する以前から、時々行われる「絵本会」のファンであり、「定期的に開催しては」と希望していた一人。うれしい。
まずは「おにぎり」石津ちひろ(文)村上康成(絵) 満開の桜の下で食べるおにぎりの話。色々おいしそうなおにぎりが出てきた。その後、自己紹介だが、「『好きなおにぎりを言ってください』と言われるのでは」と思い、「おこわのおにぎり」といおうと思っていたら、「おにぎりでなくていいです。桜の下で食べたい食べ物・飲み物を言って下さい」
十名程度の参加者だが、私の順番は二人目。おにぎりでなくてもよいので、つい「桜餅です」と言った。他の参加者のも「桜餅です」と言う人がいてほっとする。
「たなからぼたもち」くすのきしげのり(作)澤野秋文(絵) のんびり屋で怠け者のあまたろう。働かないでぶらぶら暮らしていると、父に叱られる。「棚からぼたもちが落ちてくれば働かなくていいのに」とつぶやくと、父は「じゃあ試してみよう」と朝早くからあまたろうとぼたもちの作り方を教えながら一緒に作る。あまたろうは食べたいばかりだが、「ぼたもちを棚の上に置いておきなさい」と父。
待っても、待ってもぼたもちはおちてきない。カビが生える。それでも「落ちるまでは食べてはいけない」と父はいう。
父はすごいなと思った。わたしなら早朝から一生懸命作った息子にぼたもちができたら少しは食べることを許すだろう。だけど、このことわざができた趣旨を教えるためにはこういう内容のほうがよいのかと思う。
「あしたは誰かに会えるかな」中川ひろたか(文)おくはらゆめ(絵) 題名だけで引かれる。職場の清掃、「体調が悪い」という利用者等、辞退する人が毎日のようにいる。それを何とかしたいのだが、同時に「だれが代わりに出てくれるか」と思えば楽しみでもある。
翌日、府中市民病院に検診の相談に行く。待ち時間に、「大人のための絵本コーナー」を見つける。「人生経験のある大人だからこそ、感じるものがあるとおもいます」と記して絵本がたくさん置いてある。そこで三冊読む。読んでいて、「絵本会」なら読む人がいるので絵に注目するが、自分で読むとなると文字に注目し、絵はおろそか。いけないな。文字にも絵にも注目したい。
「桜の谷」富安陽子(著)松成真理子(イラスト) 山を歩いていると桜が満開の谷で鬼に宴会にさそわれる。降りて宴会を楽しみ、かくれんぼ。
鬼でないのに鬼になる。木の裏に隠れていたのは祖母・母と亡くなった身近な人。うーん、楽しさと同時にしんみりとなるな。
「ことりを好きになった山」エリック・ガール(絵)アリス・マクレーラン(文)渡り鳥が岩でできた山に来て鳴く。山は小鳥が好きになり、「ここにいてください」というが、「岩ばかりの山では暮らせません。でも、私の子どもにも、この島に来るように教えておきます」何代もの小鳥が草や木のタネを持参したり、山が爆発したりし、やがて水もあり、野草もある山に。小鳥も木の枝をもってきて、巣をつくる。
このようになるのはたやすいことではないが、希望を感じさせる良いお話。
「悲しみのゴリラ」ジャッキー・アスニア・クレイマー(著)シンディ・ダービー(イラスト)ママを亡くした男の子、ゴリラが現れ、そっと寄り添う。「ママはどこに行ったの」という男の子の疑問とかに次々にこたえて安心させる。
この本は職場の行事「グリーフケアを考える」でも紹介された本。身近な人を亡くした人に読んでもらいたい本だ。
大人のための絵本、確かに意義があると思った。だけど、私の記憶力のあいまいさを感じてしまった。昨日、一昨日に読んだのに、内容があいまいな点があるのをお許しください。