RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞(2010年度)

留学中の医師から リレー・フォー・ライフの仲間へメッセージ

「初めまして。岡山大学呼吸器・乳腺内分泌外科の増田紘子です」という書き出しで、メッセージが届きました。国内リレー・フォー・ライフの寄付で実現した「マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞」の第一回受賞者として、米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターで研修を始めて5カ月が経つ増田医師からです。

増田医師は、最新の治療法に加え、患者とのコミュニケーションのあり方、さらには地域社会との 連携などについて一年の予定で学んでいます。

少しだけ、ご紹介します。

「先生方に出会い、熱意に触れ、自分の至らなさに気づく、それだけでも、私にとって医師として成長できる、大切な機会だと感じています。リレー・フォー・ライフの活動を通して、皆さんが与えて下さったこの機会は、これからの若手医師にとって、自身を成長させてくれる貴重な経験となることは間違いありません。 この機会を下さった皆さんと、現在、未熟な私に、素晴らしい機会を与えてくださっているMDアンダーソンがんセンターの上野先生に胸いっぱいの感謝を込めて。ありがとうございます。
日本の皆さん、リレー・フォー・ライフの会場でお目にかかれる日を楽しみにしています。」

どうぞ、じっくりとアメリカ最新事情をお読みください。

「私一人で頑張っているのではない、常に感じた大きな励まし」

日本対がん協会が、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの協力で実施している研修プログラム「RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞」の第1回目(2010年度)の受賞者、増田紘子医師(国立病院機構大阪医療センター)が6月2日、米臨床がん学会(ASCO)がん征圧基金の「ブラッドリースチュアートベラー特別賞」を受賞しました。
増田さんからリレー・フォー・ライフにかかわる皆さん、並びに、日本対がん協会の関係者にメッセージが届けられました。

RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞の第1回目の研修生
増田さんからのメッセージ

ブラッドリースチュアートベラー特別賞という、最も優秀な研究に贈られる賞を受賞でき、本当にありがとうございます。リレー・フォー・ライフ、対がん協会のみなさまには、本当に素晴らしい機会を頂いたことを心から感謝しています。本当にありがとうございました。
ご寄付を頂き、研修させていただいたことは、私にとって、責任感、プレッシャーを感じることもありましたが、何より、大きな励ましでした。私一人が頑張っているのではないことを、常に感じられ、本当にありがたかったです。
帰国して何人かの患者・ボランティアの方々とお会いする機会があり、直接お礼をお伝えすることができて、本当にうれしかったです。みなさんが、私たち若手医師を育てて下さっていることをこの賞を通して感じていただければ幸いです。
この先生を育ててよかった、と皆さんに思っていただけるような医師になれるよう、これからも頑張っていきたいと思っています。留学は私にとって代えがたいすばらしい経験でした。本当にありがとうございました。


ブラッドスチュアートベラー特別賞を受賞した増田紘子さん

米臨床がん学会がん征圧基金の特別賞 乳がん研究で高い評価

ASCOの年次総会(5月31日~6月4日)では、発表されたフェローやレジデントの数千の研究を対象に、特別プログラム委員会が100人の優れた研究を選び、「メリット賞」を授与しています。その中でより優れた研究4つに特別賞が贈られます。増田さんが受賞したのはその4つのうちでも最高位にあたる賞。非常に高い評価を得たわけで、将来のがん医療への貢献が大いに期待できそうです。
増田さんの研究は、「トリプルネガティブ乳がん」と言われる、悪性度が高い乳がんの基礎的な研究。乳がんの治療では、そのがんにどんな特徴があるのかを遺伝子レベルで調べて抗がん剤やホルモン剤の治療を工夫しています。「トリプルネガティブ乳がん」は、その名の通り、乳がん治療のポイントと考えられる3つの遺伝子が、いずれも働いていない(ネガティブ)という特徴をもち、有効な治療法の開発が望まれるがんです。
増田さんは、マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞で研修に行った米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターで、このトリプルネガティブ乳がんについてさらに詳しく研究。7つのサブタイプがあり、手術前の抗がん剤治療の効果を予測できる可能性があることがわかりました。ASCOでは、研究の中で、そのうち治療効果が低い2つのタイプについて、効果的と考えられる治療法の可能性を示しました。
実際の治療に役立てるには、さらに研究を重ねなければいけませんが、「トリプルネガティブ乳がん」とひとくくりにされてきた乳がんについて、それぞれのグループを確実に判断できれば、それぞれにより適した治療法の開発・選択につながると期待されます。


米臨床がん学会年次総会で話す増田紘子さん

RFLJの寄付を基にした「MOD奨励賞」の増田氏 ASCO最高賞を受賞!

2013年5月7日、米国Conquer Cancer Foundation of ASCO(ASCOがん克服基金)は、2013年の ASCO(米国臨床腫瘍学会) 年次総会(5/31~6/4)で発表される優秀な研究に対して贈られるMerit Awardにおいて、100名以上のがん研究者を表彰することを発表しました。そして、さらに優秀な4名にSpecial Merit Awardが贈られることとなり、第1位のBradley Stuart Beller Special Merit Awardには、リレー・フォー・ライフ・ジャパンへの寄付を基に運営されるマイ・オンコロジー・ドリーム(MOD)奨励賞の第1回受賞者、増田紘子氏(現在、国立病院機構 大阪医療センター:下の写真)が選ばれ、受賞することになりました。

これは、MOD奨励賞によってMDアンダーソンがんセンターに於いて1年半にわたって研修した増田氏の研究に対し、大変に高い評価をいただいた、快挙といえる成果です。

このMerit Awardは、フェローおよびレジデントを対象に、何千もの優れた研究の中からASCO Scientific Program Committeeによって選ばれるもので、なかでもBradley Stuart Beller Special Merit Awardは、全体的に最も高いランクの演題(アブストラクト)を提出した第1位のフェローに与えられるもので、受賞者には、基金から賞金2,000ドルが贈られ、6月2日に行われる授賞式(Conquer Cancer Foundation Grants and Awards Ceremony)では特別な表彰がなされます。
今回受賞した増田氏の研究は、MDアンダーソンがんセンターのフェローとして、トリプルネガティブ乳がんの7サブタイプの臨床的意義を検討する目的で行われたもので、演題名は、“Differential pathologic complete response rates after neoadjuvant chemotherapy among molecular subtypes of triple-negative breast cancer.”です。

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■マイ・オンコロジー・ドリーム(MOD)奨励賞について■
本奨励賞は、公益財団法人日本対がん協会が、一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトおよび米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの協力を得て、日本の若手医師が同センターで1年間研修する事を目的として2010年度に設立され、現在、第3回(2012年度)までの受賞者を輩出しています。リレー・フォー・ライフ・ジャパンに寄せられた寄付金を基に運営され、がん医療向上を願う多くの方々の思いが込められています。

◆◇参考記事◆◇
第1回(2010年)マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞
http://www.oncology-dreamteam.org/blog/2011/01/post-6.html
マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞・関係記事
http://www.oncology-dreamteam.org/blog/cat66/

(記事、写真:マイ・オンコロジー・ドリーム事務局)

 

RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞 とは?

日本のがん医療に役立てることを目的に、米国屈指のがん専門病院として知られる米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターと協議して設けた研修プログラムです。日本の若手医師を同センターに派遣し、約1年間学んでもらいます。リレー・フォー・ライフ・ジャパンに寄せられた寄付金をもとに運営し、そこに、日本のがん医療向上を願う多くの方々の気持ちが込められています。

この趣旨を同センターにご理解いただくとともに、一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトの協力を得て、2010年度に第1回目の公募を始めました。それ以来の受賞者は次の通りです。

[敬称略、五十音順、所属は採択時のもの]

年 度 氏名・所属
2016年 喜多久美子(乳腺外科、聖路加国際病院)
西本光孝(医学研究科、大阪市立大学大学院)
宮内栄作(呼吸器内科、東北大学病院)
2015年 岩瀬俊明(臓器制御外科、千葉大学附属病院)
及川将弘(乳腺外科、にゅうわ会及川病院)
鳩貝健(消化管内科、国立がん研究センター東病院)
2014年 三浦裕司(臨床腫瘍科、虎の門病院)
森川直人
(呼吸器・アレルギー・膠原病内科、岩手医科大学)
2013年 河野美保(腫瘍内科、広島市民病院)
原野謙一(腫瘍内科、日本医大武蔵小杉病院)
2012年 塩崎隆也(産婦人科、三重大学、現在紀南病院)
並川健二郎(皮膚科、国立がん研究センター中央病院)
2011年 古川孝広(腫瘍内科、KKR札幌医療センター 斗南病院)
原尾美智子(乳腺外科、栃木県立がんセンター)
2010年 増田紘子医師(乳腺外科、大阪医療センター)